鹿児島実 ノーシードから夏切符!エース・赤崎 昨夏決勝のリベンジ「自分たちの代で甲子園に」

[ 2022年7月25日 06:00 ]

第104回全国高校野球選手権鹿児島大会決勝   鹿児島実3-2大島 ( 2022年7月24日    平和リース )

<鹿児島実・大島>優勝して喜ぶ鹿児島実ナイン
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 鹿児島大会は決勝が行われ、ノーシードの鹿児島実が第1シードの大島に3―2で勝利し、4年ぶり20度目の夏の甲子園切符を手にした。先発したエース左腕の赤崎智哉投手(3年)が4安打2失点10奪三振を奪う力投で引っ張った。

 昨夏は涙をのんだ決勝で、1年分の思いを込めた125球だった。優勝を決めると、鹿児島実のエース赤崎はマウンドで左腕を突き上げ、No・1のポーズをつくった。9回2失点の好投でプロ注目の大島の左腕、大野稼頭央(3年)に投げ勝ち、「自分たちの代で甲子園に行く気持ちを持っていた。うれしい」と笑みを浮かべた。

 外野席が開放され、場外に行列ができるほど多くの高校野球ファンが詰めかけた決勝戦。序盤から「外の際どいコースに決まった」と話す直球とスライダーが武器になった。

 4回には準決勝でできていた中指のマメがつぶれるアクシデントもあったが、5回まで1安打に抑える好投。3点差の9回無死一塁では投手への強烈な打球を好捕し、投直併殺打に打ち取った。「勝手に反応してグラブで取れたのでよかったです」。1点差に詰め寄られたが、後続を切った。

 打線は「大振りしては大野くんは打てない」という宮下正一監督の考えのもと、低く強い打球を徹底。6回の8番・筏伸之助(3年)の適時打は遊撃を強襲する打球だった。

 昨夏の決勝は樟南に0―7で敗れた。2番手で登板した赤崎は4回1/3、3失点で勢いを止められなかった。後に左肘の疲労骨折が判明。本格的に投げ始めたのは今年の4月からで、今春の県大会にも間に合わなかった。チームも昨秋、今春と県大会で結果が出ずノーシードでこの夏を迎えた。悔しさを持ちながら、初戦で今春の九州王者、神村学園と激突。赤崎は11回で1失点の好投で難関突破の原動力になり、そこから伝統校が底力で駆け上がった。

 5月の大型連休中に新型コロナウイルスの陽性者が30人出た影響で2週間、活動を休止した。予定した約20試合ができなくなった。試合勘を養うため6月は平日の授業終了後に、時にはナイター照明をつけ練習試合を組む異例の調整でチーム力を高めてきた。

 4年ぶりの聖地。赤崎は「甲子園でもいいピッチングができれば」と意気込んだ。 (杉浦 友樹)

《5枚刃効果? V撃の浜崎「一体感が出たのかな」》
 2―0の6回に5番の浜崎綜馬(そうま・3年)が左前に決勝打を放った。カーブを捉え「絶対にランナーを還そうと思った」と話した。先発した赤崎とは中学時代からのチームメートで「鹿児島実で甲子園に行こう」と言い合って進学したという。この日は髪型から気合十分だった。前日に5枚刃のカミソリでスタンドの部員も含め、全員できれいにそった。浜崎は「一体感が出たのかなと思います」と笑みを浮かべた。

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