ヤクルト・山田 17日ぶりのスタメンで復帰即V弾!マジック41再点灯!

[ 2022年7月25日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト4―2広島 ( 2022年7月24日    神宮 )

<ヤ・広>6回、勝ち越しソロを放つ山田(撮影・村上 大輔)
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 ヤクルトは24日、前半戦最終戦となった広島戦に4―2で勝利し、リーグ連覇へのマジック「41」を再点灯させた。この日出場選手登録された主将の山田哲人内野手(30)が6回に決勝点となる勝ち越しの16号ソロ。新型コロナウイルス集団感染で多くの主力が離脱したが、野手は主力の多くが戦列復帰を果たした。2位の阪神、広島とは11ゲーム差で、球団史上最大ゲーム差をつけて折り返した。

 神宮のファンは待っていた。背番号1をつけるこの男の帰還を。ベンチに戻ってきた山田に「お帰り!」の声が飛んだ。お立ち台に上がった主将は「本当にチームに迷惑をかけた。(応援が)凄く力になった。ホームランを打てたのも声援があったからだと思っています」と感謝した。

 全快だった。2―2の6回1死。「(前の打席で)フォークでやられていたので、変化球のタイミングで待った」と1―1からの九里の内角128キロフォークを狙い澄ました。バットを体に巻き付けるようなスイングで捉えた打球は左翼席中段へ。6月29日以来となる決勝の16号ソロだ。

 チームは新型コロナウイルスに集団感染。山田も9日に陽性が判明し、数日間は発熱し38度台まで上昇。30歳の誕生日だった16日も自宅で過ごした。「コロナになって凄くショックだったけれど、仕方ないことだと、切り替えて復帰を早くすることだけを考えていた」。回復し始めてからは自宅内での体幹トレなど少しずつ体を動かす中、主将としてチームにも目を配った。

 首位を独走してはいるが、主力の多くが戦線離脱。22歳の4番・村上が「中心として引っ張りたい」と自覚を示していた。しかし、チームは今季ワーストの6連敗と低迷した。敗戦を背負い込む後輩に「そんなに気負わずいけよ」と連絡した。

 19日に1軍練習に合流して状態を上げ、この日1軍出場登録されて、即「3番・二塁」でスタメン出場。7日以来17日ぶりの出場で改めて存在の大きさを示し、高津監督も「まさか打つとは思わなかった。ピッチャーの球を見ていない中でもしっかり適応できる技術。よく打ってくれた」と最敬礼した。

 塩見と中村も同じく感染から復帰後初スタメンに名を連ね、野手はほぼベストメンバーで臨んでソロ4発で快勝。前半戦最終戦でリーグ連覇へのマジック「41」を11日ぶりに再点灯させた。「残り52試合、本当に厳しい勝負が待っている。気を引き締めて、一戦一戦やっていく」。ヤクルトには本当に頼りになる背番号1がいる。(青森 正宣)

 ≪V確率は100%≫ヤクルトにマジック41が再点灯した。2位の阪神、広島とは11ゲームの大差。前半戦終了時に2位に2桁ゲーム差で首位ターンするのは16年広島以来10度目でヤクルトでは初めて。過去9度は全て優勝しておりV確率は100%になる。また、前半戦終了時に貯金独占の首位は19年巨人以来9度目。ヤクルトでは93、11年に次いで11年ぶり3度目。

 ≪連続日本一へ願い込め…絵馬に託した「率」≫山田は毎年、絵馬を書いて一年のスタートを切る。正月。今年も地元の大阪・住吉大社に初詣に行った。

 記したのは「率」。込めた思いは2つ。18年以来の打「率」3割、19年以来の出塁「率」4割の達成。そしてもう一つは「今年も主将としてチームを率いていきたい」。昨年は「導」と記し、20年ぶりの日本一に導いた。球団初の連続日本一へ、主将2年目の決意だった。

 自覚は行動に表れた。春季キャンプ。自分の練習後に、俊足が持ち味の並木に盗塁塾を開く姿があった。シーズン中も、昨年と同様に投手に駆け寄って声をかける姿がある。バットでは打率は.257、出塁率は.347。「求められている数字ではない」。それでもここぞの場面での勝負強さ、チームを率いる存在感は変わらない。(ヤクルト担当・青森 正宣)

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2022年7月25日のニュース