赤星憲広氏 阪神打線は今こそ機動力でチームに勢いを 中野と近本はもっと走るべき

[ 2022年4月19日 05:30 ]

赤星憲広氏
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 【赤星憲広 視点】17日までの巨人3連戦で今季初のカード勝ち越しを決め、ようやく反攻態勢に入った阪神。スポニチ本紙評論家・赤星憲広氏(46)はチームを勢いに乗せるためにも、今こそ中野、近本らの機動力の必要性を説いた。

 反攻を期す阪神には、今こそ機動力が必要だと考える。ここ数試合で(盗塁も)増えてきてはいるが、まだ足りない。より点を取るためには、走者が得点圏に進むことが大事。そのためには、やはり機動力だ。

 16日の巨人戦。甲子園球場で解説をさせてもらったが、もっと走れた試合だったと感じた。相手先発のシューメーカーは走者が出てから、嫌がる感じがあった。チャンスはあったわけだ。だが中野、近本に行こうという感じがなかった。試合に勝ったからいいが、そういうそぶりが見えないというのが少し気になった。(そぶりを)見せないようにしていて走るのならいいが、見せず走りもしない。なぜ行かないのか。

 打線の状態を上向かせるには、相手投手を打者に集中させないことも、一つの手と言える。中野、近本は、そのための武器を持っている。ともに盗塁王を獲った彼らが動くだけでも相手投手は足を警戒するはず。走者を気にした結果、制球を乱して甘いコースに投げてきたり、ボールが増えて四球を出すなど、チャンス拡大につながる。だから走らなくても、走らないなりにそぶりを見せるとか、そういう動きが大事。それが今は雰囲気もなく、走らない。せっかくの武器を生かし切れていないように思う。

 (打順で)中野、近本が並んでいても、並んでいなくても、そこはあまり関係ない。むしろ今のオーダーのように、2人の間に2番・佐藤輝が入っている方が、走りやすいのではないか。一発がある佐藤輝に対しては必然的に変化球が増える。ということは、中野は走りやすくなる。3番・近本が出塁した場合も次には大山が控えており、同様。だから、もっと走れてもいい。それがチームの勢いにつながるはずだ。

 《リーグ4位のチーム7盗塁》阪神は開幕20試合終了時点でリーグ4位のチーム7盗塁。矢野監督就任後の同時期では19年7、20年14、21年18で、19年に並ぶ少なさだ。ちなみに昨季まで3年間の阪神は19年100、20年80、21年114と、3年連続リーグトップの盗塁数を誇り、その機動力がAクラス入りの原動力となった。

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2022年4月19日のニュース