メッツ・カノが「消えてしまいたいと思った」 当時の心境告白

[ 2022年4月19日 11:50 ]

メッツのロビンソン・カノ(AP)
Photo By AP

 ニューヨークポスト紙が薬物違反による1年間の出場停止処分から復帰したメッツのロビンソン・カノ二塁手(39)について特集。カノは「処分を聞いた時の苦しみは言葉にできない。消えてしまいたいと思った」と当時の心境を告白している。

 彼のファンや母国ドミニカ、彼を敬う若手選手の信頼を裏切ることになったからだ。処分の1年間は、故郷サンペドロ・デ・マコリスにいた。初めてうつ病を経験したが、家族には打ち明けなかった。「いつも笑っている幸せな父親でいたかった。子供に病気だと見られたくなかった」。メッツの試合は寝室で一人で見た。「あそこにいるはずなのにいられない、時々見ながら泣いていた。監督やコーチが電話をくれて、ブルペンコーチと話している時に電話口にデグロムが出てくれたことがあった。あれは大きかった」。

 39歳で契約はあと2年。現役引退後のことも考えている。意外なのは廃棄物管理事業を始めたこと。28台のトラックを購入、リサイクル施設にも1600万ドルを投資した。「サンペドロ・デ・マコリスはドミニカでも最も汚れた街の一つと言われていて、それが嫌だった。今はみんながこの20年でこんなに清潔だったことはないと言ってくれる」と微笑む。

 カノは通算2629安打、335本塁打で、8度もオールスターに選ばれたが、1年間の出場停止処分を受けたことで、野球殿堂入りは微妙になっている。「自分のレガシー(後世に与えられる評価)については考えない。今は再び野球がしたいだけ。ファンの人が手を叩いて応援してくれるように頑張る」と話している。

続きを表示

2022年4月19日のニュース