カブス・誠也 ゴジラ超え9戦4発で警戒度MAX 1試合平均1四球&2度目の申告敬遠

[ 2022年4月19日 02:30 ]

ナ・リーグ   カブス6―4ロッキーズ ( 2022年4月17日    デンバー )

<ロッキーズ・カブス>4号ソロを放った鈴木(AP)
Photo By AP

 カブスの鈴木誠也外野手(27)が17日(日本時間18日)、敵地でのロッキーズ戦に「5番・右翼」で出場。7回に5試合ぶりの4号ソロを放つなど、1安打1本塁打1打点をマークした。開幕からチーム9試合目での4本塁打は05、06年の松井秀喜(ヤンキース)らを抜き、日本選手歴代最多。デビューから8戦連続安打で打率・400と快進撃は止まらない。早くも今季2度目の敬遠も経験。強打者としてマークされる存在となっている。

 ユニホームのズボンの裾を、膝下までグイッと上げた。メジャー初のオールドスタイル。「なんとなくやってみた」という鈴木だったが、試合に臨むリズムも普段とは違った。

 「30分前に5分くらいしか打ってない。ちょっと不安はありました」

 今季初めてだったナイター翌日のデーゲーム。試合前に全体の打撃練習は行われず、室内で約5分間、ケージに入っただけで試合を迎えた。それでも結果を出すのが誠也流。7回だった。外角の速球を振り抜き、逆方向の右翼席最前列へ。リーグ2位タイの4号ソロ。感触は「良くなかったです」。標高1600メートルの高地で打球が飛ぶクアーズ・フィールド特有の打球かと問われ「そうだと思います」と振り返った。

 開幕から9戦4発は、05、06年の松井(ヤンキース)らがマークした3発を更新する日本選手最多となった。デビューから8戦連続安打も、03年松井(同)の7試合を抜き、日本選手最多となる07年の岩村(デビルレイズ=現レイズ)の9試合にあと1と迫った。

 4―0の5回1死二、三塁では今季2度目となる申告敬遠。今季敬遠2度は両リーグで鈴木のみだ。今季9四球で、1試合平均四球は1。過去にシーズン1試合平均1四球以上を記録しているのは、B・ルース、T・ウィリアムズ、B・ボンズ、M・マグワイアの4人のみ。昨年、本塁打王争いで徹底マークされた大谷は、敬遠20で96四球だった。いずれもリーグ3位の打率・400、11打点をマークする鈴木に対し、早くも各チームの警戒度は上昇中だ。

 限られた準備で挑んだ一戦。「やってみないと分からない。初めてそういう形でやったんですけど、収穫的には凄く良かった」と振り返った。メジャー初めての遠征だった12日からの6試合で、3発を含む17打数7安打で5打点。「みんなのおかげで波に乗っています。1年間、しっかりこの状態を維持して、成績とかではなく体の状態を維持してやっていきたい」。メジャーに大きなうねりを起こす旅は、これからが本番だ。(笹田 幸嗣通信員)

 《連続安打最多にあと1》日本選手の開幕9試合時点での本塁打はこれまで3本が最多で、大谷(エンゼルス)が18、20~22年の4度、福留(カブス)が09年、松井(ヤンキース)が05、06年にマークしていた。また、デビューから8試合連続安打は、日本選手最多にあと1と迫ったが、米メディアによるとカブスの直近100年でのデビューから連続試合安打の最高も43年のアンディ・ペフコの9試合。鈴木は25年のジョー・マンソンと並ぶ球団歴代2位となった。

 ▽クアーズ・フィールド 95年開場。大リーグの本拠地球場で最も高い標高1マイル(約1609メートル)に位置する。空気抵抗が通常より20%少ないとされ、単純計算で飛距離が1・2倍となる「打者天国」とも呼ばれる。ノーヒットノーランは、96年9月17日にドジャースの野茂英雄が達成したのが唯一となっている。

続きを表示

2022年4月19日のニュース