日本ハム・新庄監督 大海→宮西→大海で「遠山・葛西スペシャル」再現!?

[ 2022年4月19日 06:00 ]

日本ハム・伊藤→宮西→伊藤の伝説の継投策再現か?
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 日本ハムの新庄剛志監督(50)が、99~00年に阪神が採用した伝説の継投策「遠山・葛西スペシャル」を再現する可能性を示唆した。打者によって投手を一時的に外野守備に就かせる、阪神時代の恩師・野村克也氏が得意とした戦法。既に伊藤大海(24)、吉田輝星(21)の両投手は外野の守備練習をしており、勝負どころで敢行する可能性がある。

 恩師が得意としていた「秘策」を、新庄監督は温めていた。「投手が投げ、新しい投手が来て、その間にレフトに行って、戻る、みたいなことをやる」。相手のジグザグ打線などに対応するため、堀や宮西ら左投手をワンポイントで起用する際に、投手を一時的に外野守備に就かせるプランを明かした。

 新庄監督は中4~5日で先発ローテーションを回すことを目指す。イニングと球数を制限した上で、少ない投手陣でのやりくりが必要だ。特に昨季10勝でエースの上沢と2本柱を形成する伊藤は最大限に生かすため、今後にベンチに下げたくない状況となる可能性はある。そこで指揮官は「伊藤君と吉田君が外野ができる」と“奥の手”を口にする。

 投手を守備に就かせて再び戻す珍継投は、阪神時代の恩師・野村氏が得意だった戦法だ。阪神で99年に左キラーの遠山と、右キラーの葛西を交互に登板させた衝撃の継投策は「遠山・葛西スペシャル」としてファンに語り継がれている。恩師の秘策を現役時代に間近で見てきた新庄監督だからこそ、実行できる策でもある。

 パ・リーグでの実現には指名打者を解除しなければならないが、勝負どころならば背に腹は代えられない。5月24日からは、ヤクルト戦を皮切りに交流戦がスタートする。DH制のないセ・リーグ本拠であれば、敢行する可能性は十分だ。新庄監督は「“(伊藤と吉田に)外野(左翼)の守備はしておいて”と言ったら、ず~っとしている」と目を細め、2人とも秘策に対応する準備はしてきた。

 現在18試合を終えて6勝12敗。防御率3・61はパ・リーグワーストと、投手陣のほころびも目立つ。「秘策」は、限られた戦力で最下位から巻き返すための苦肉の策でもある。21世紀に入ってからは見られなくなった衝撃の継投策が近い将来、新庄版の「スペシャル継投」として、さく裂するかもしれない。(清藤 駿太)

 ≪同一イニング内ではA→B→A→Bまで≫野球規則の5・10(d)【原注】には『同一イニングでは、投手が一度ある守備位置についたら、再び投手となる以外他の守備位置に移ることはできないし、投手に戻ってから投手以外の守備位置に移ることもできない。』とある。伊藤が一度投手から外野に回り、宮西の救援を仰いだ後に再登板したとすると同回で再び、他位置に移って他者の救援を仰ぐことはできない。伊藤の再登板で宮西も他位置に入った場合、伊藤の降板後に再登板は可能で「伊藤→宮西→伊藤→宮西」が実現する。なおメジャーは20年からワンポイントは禁止され、打者3人かイニング完了までは交代できない。

 ▽遠山・葛西スペシャル 99年5月19日の広島戦で当時の阪神・野村監督が5点リードの7回無死満塁で遠山が前田を二ゴロ。続く1死一、三塁で右打者・江藤に対して伊藤を投入。遠山を一塁に回した。伊藤が江藤を三ゴロに抑え、2死一塁で再び遠山がマウンドに戻って金本を三ゴロ。00年5月9日の中日戦では「遠山→葛西→遠山」、同21日の横浜戦でも「遠山→葛西→遠山→葛西」のリレーも披露。南海、ヤクルトの監督時代も同様の作戦を駆使していた。

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