阪神・岩崎「応援してくれる人のために」 熱く語った新守護神としての決意、逆襲けん引役への意気込み

[ 2022年4月19日 05:30 ]

新守護神としての決意を明かした岩崎
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 【阪神・岩崎の独占企画「成し遂げる」】阪神の岩崎優投手(30)が18日、スポニチ本紙に塩対応ではなく思いの丈を明かす企画「成し遂げる」で新守護神としての決意を明かした。開幕から9連敗と大きくつまずいたチーム状況にもどかしさを感じつつも、左腕の胸に響いたのは後押ししてくれるファンの声の数々。経験の浅い若手選手への助言も絶やさず、逆襲のけん引役となる意気込みだ。(取材・構成=遠藤 礼、長谷川 凡記)

 勝負の世界に身を置く者として、率直な思いだった。「経験したことがないぐらい負けているので。それはもう、単純に悔しいですよね」。チームは開幕から17試合目まで1勝どまりと泥沼にはまった。当然、勝ちパターンで開幕を迎えた左腕の出番は少ない。マウンドに上がることなく帰路に就く日々。そんな中でも気づかされることがあった。9連敗となった3日の巨人戦を伝えるテレビニュース。敗れはしたが、9回に木浪、梅野の2本塁打に沸く左翼スタンドが映し出された。

 「映像で見て。こんな時でも応援してくれる人のことを忘れてはいけないんだなと。全員が悪いことを言っているように感じることもありますが、99の批判があっても応援してくれる1人のために戦わないといけない」。遠征先で、試合後にバスで球場を後にする際も同じだった。「バスに向かって声を掛ける人もヤジは全くなかった。後押し、応援してくれる声がたくさん耳に入ってきた。そういう人たちを勝って喜ばせないといけないと、改めて思った」

 ケラーの不振で今月上旬に守護神を託された。15日巨人戦からは2試合連続セーブもマーク。今、チームの勝利に最も近い“場所”にいる。「これから難しい場面も出てくる」と簡単なポジションでないことは百も承知。だからこそ「9回に僅差リードならいく、それだけ」と思考はシンプルだ。存在の大きさはマウンド上だけではない。ブルペンに名を連ねる経験の浅い後輩たちにも助言を惜しまない。6日DeNA戦で、1―1の延長12回に登板し、1死も取れず3失点で降板した斎藤にはベンチですぐに声を掛けている。

 「翌日はさっさと切り替えないといけないので。切り替えているのに掘り下げられても嫌だと思う。(伝えるなら)早い方がいいかなと。(斎藤に言ったのは)技術はあるのに、気持ちの方でダメだったというのは一番、もったいない。そういうことがあるのなら、改善していった方がいいよねと」。ただ即日の助言は一つ難点があるといい「ベンチではテレビに抜かれるので…次からは目立たない所でやろうかな」と付け加えた。

 直近の巨人戦で今季初のカード勝ち越し。19日からはDeNA、ヤクルトとの敵地6連戦が待つ。「1勝ずつしかできないし、一つずつ返していくしかない。その一つ一つの勝利に、数多く貢献できれば。開幕の時に比べれば状態は良いですし、任されたところで仕事を全うしたい」。地道でも着実に…寡黙な男の目は死んでいない。

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