大垣日大・五島は毎回18奪三振に「楽しく投げられた」 最速133キロも変化球で量産 実は左投げ両打ち

[ 2022年3月22日 20:48 ]

第94回選抜高校野球大会第4日第3試合 1回戦   大垣日大6─1只見 ( 2022年3月22日    甲子園 )

<只見・大垣日大>18奪三振の好投を見せた大垣日大・五島(撮影・北條 貴史)
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 第94回選抜高校野球大会第4日は22日、阪神甲子園球場で1回戦が行われた。第3試合では11年ぶり4回目出場の大垣日大(岐阜)が初出場の只見(福島)を6─1で下した。阪口慶三監督(77)は史上初となる「昭和」「平成」「令和」の3元号での甲子園勝利となった。

 指揮官に節目の1勝を呼び込んだのはエース五島幹士投手の快投だった。4回に1点を許したが、9回まで毎回の18奪三振。2安打1失点(自責0)で完投した。直球は130キロ前後だが、カーブ、スライダー、チェンジアップとのコンビネーションと制球力で三振の山を築いた。「これだけ取ったのは初めて。自信になったし、うれしい。チームを勢いづけられるように投げました。楽しく投げられました。ストレートのキレが今日は一番良かったです。変化球の緩急をつけて次はもっと投げていきたい」と語った。

 阪口監督も「肩の力が抜けて、腕を非常に柔らかく使っていた。それが打者の手元で、初速と終速が変わらずできたんじゃないでしょうか」と評価。「去年と比べて球速はそれほど変わらないが、回転数がある」と冬の越えてたくましくなった左腕を称えた。

 今大会の出場選手ではただ一人、NPBの現役日本人選手にも一人もいない左打ちのスイッチヒッター。普段の生活では書くのも箸を持つのも全て左利き。だが、小さい頃から打つことだけは右だった。中学時代のコーチから「両方で打てるに越したことはない」と勧められてスイッチに挑戦。のみ込みも早かった。今では「両打ちの強みは、逃げていくボールがほとんどないこと。ピッチャーに合わせて変えることもできる」とメリットを実感している。この日は5番打者として2回の第1打席で四球を選び、先制の生還。3回には左前打を放った。

 昨秋公式戦は全12戦中、11戦に先発。63回2/3を投げ与四死球11という制球力で勝利に導いてきた。大垣日大に代々伝わる「マウンドに立っている人間がエース」の格言通り、チームのためにマウンドに立ち続け、阪口監督に勝利を届けた。

 ◇五島 幹士(ごしま・かんじ)2004年(平16)6月28日生まれ、岐阜県各務原市出身の17歳。鵜沼第一小3年から鵜沼第一少年団で野球を始め、4年からホワイトフィリーズへ。鵜沼中では岐阜中濃リトルシニアに所属。大垣日大では1年夏からベンチ入りし、2年秋からエース。1メートル72、74キロ。左投げ両打ち。

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