福島敦彦氏 犠打ではなく初球ヒットエンドラン 高知・三谷の打撃はすばらしかった

[ 2022年3月22日 05:30 ]

第94回選抜高校野球大会1回戦   高知4ー2東洋大姫路 ( 2022年3月21日    甲子園 )

高校野球解説者・福島敦彦氏
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 【福島敦彦の迫球甲子園】ロースコアの接戦が予想され先制点が大きなウエートを占める中で、局面を動かす指揮官の一手が大きなポイントになった。

 高知は5回1死一塁から9番の三谷君が初球ヒットエンドランを成功させ好機を拡大した。2回は1死一塁から8番・櫛田君の犠打で得点圏に走者を進めており、5回も二塁に走者を進め山下君に託すかと思っていた。東洋大姫路バッテリーは外角へのスライダーから入りバント以外も頭に置いた配球だったが、うまく中堅方向に打ち返した三谷君の打撃はすばらしかった。外角の変化球を打ったことで、続く山下君は内角の真っすぐを狙っていたかのようなスイングだった。

 6回からは昨秋の公式戦で登板経験がない中嶋、日野の2投手で逃げ切った。冬を越え大きく成長した姿を見せるのも選抜の楽しみの一つだ。

 敗れたとはいえ、東洋大姫路の8回の2得点は今大会を最後に退任する藤田監督へ、選手からの惜別の得点になったように思う。(報徳学園、慶大、中山製鋼元監督)

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2022年3月22日のニュース