【スポニチスカウト部(5)】立正大・奈良間大己 素手で磨く広角打撃 走攻守兼ね備えた菊池涼タイプ

[ 2022年3月22日 06:30 ]

プロ入りを目指す立正大・奈良間
Photo By スポニチ

 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第5回は東都大学野球リーグ2部・立正大の奈良間大己内野手(21)。常葉大菊川時代はU―18日本代表にも選出された遊撃手は、目標とするプロ入りへ向けて強い決意をにじませる。

 常にぶれない志がある。目標にしてきたプロ入りをかなえるため、奈良間は「大卒でプロに行く。常にそれを考えてきた。一球に対してどれだけヒット性を出せるかという意識でやってます」と大学ラストイヤーに懸ける思いを語る。

 走攻守三拍子そろった遊撃手は、主将として臨む今季、春のリーグ戦での打率・350を目標に設定。このオフは打撃の確実性を重視して練習に取り組んでおり「自分の成績が良ければチームも良い方向にいくと思うので。先頭切って引っ張っていきたい」とチームの1部復帰とともに高い目標に挑む。

 自身のターニングポイントとするのが、常葉大菊川3年時だ。夏の甲子園で打率・308、1本塁打をマークし、U―18日本代表でも主力として活躍。だが、ドラフト指名はならなかった。「“もしかしたらいけるんじゃないか”と思っていけなかった。そこが一番、野球での悔しさを持った」と振り返る。

 練習のティー打撃は常に素手で行う。チームの方針でもあり、1年の頃から取り組むルーティン。最初の頃は手はマメだらけで、風呂でシャンプーを使う際も痛みに苦しんだ。「3年間やればだいぶ(手の皮も)厚くなる。本当に打っているバットとボールの当たる感覚が、素手のほうが分かりやすい感じがある」とメリットを口にする。1メートル72と小柄ながらフルスイングが魅力だが「自分はホームランとかを打てるバッターではない」と広角に打つ打撃を磨く。

 NPBのスカウトも視察に訪れているが、平常心を貫く。「いつも通りのプレーをして、そこを評価してもらいたい。自分のプレーをしたい」。自分と向き合い、夢の舞台までたどり着いてみせる。(田中 健人)

 ☆奈良間 大己(ならま・たいき)2000年(平12年)5月8日生まれ、静岡県出身の21歳。1メートル72、74キロ。右投げ右打ち。

 ☆球歴 静岡・堀之内小1年時に野球を始める。菊川西中では小笠浜岡リトルシニアに所属。常葉大菊川では1年秋からベンチ入り。3年夏の甲子園では、1回戦の益田東(島根)戦で本塁打を放つなど活躍し、U―18日本代表入り。立正大では1年春のリーグ戦でデビュー。遠投は100メートル、50メートル走は5・8秒。

 ☆好きな食べ物 「なんでも食べるので特にない」と言うが、あえて挙げれば「焼き肉」。好きな部位はタン。

 ☆バット 使用するのは中日・平田モデル。大学1年から同モデルのバットを使い続けている。

 ≪野球漬けの日々≫奈良間は自身も認める「野球小僧」。静岡県出身で、周囲はサッカーをする友人が多く、完全アウェーだったが、小1から野球以外のスポーツには目もくれなかった。趣味についても「何もない。音楽とかも全然聞かない」とし、空き時間もYouTubeの野球関連の動画を見る程度で「あまり寮にいる時間が少ない。室内練習場かウエートルームにいる」と練習熱心だ。これまでに野球をやめたいと思ったこともない。「野球はだいぶ好き。(憧れた選手も)いない。見てるよりやるほうが多かったです」と笑った。

続きを表示

この記事のフォト

2022年3月22日のニュース