「僕は矢野さんに引っ張られた」 阪神・西勇、ブルペン一番乗りで100球 結果で恩義に応える決意

[ 2022年2月2日 05:30 ]

矢野監督(左)に見守られながら、ブルペンで投球する西勇(撮影・成瀬 徹)
Photo By スポニチ

 31歳の西勇が、22年宜野座キャンプのブルペンに一番乗りし、いきなり100球を投げた。1月21日に新型コロナウイルスの陽性判定を受け、自宅での隔離生活による調整遅れが心配されたが、初日に雑音を封じ込めた。

 何かしらの意図を感じさせる「1番」と「100球」という二つの数字について、「一番乗りといっても、年齢順なので、別に一番で投げたいというのはない。どこでも、100球を投げるつもりだった」とドラマ仕立てにされることを避けた。その一方で、プロ14年目にかける決意を全面に打ち出した。

 「100球は普通のこと。もともと、オリックスのときは投げ込みをするタイプだった。初心に戻るじゃないが、がんばって投げ込みをして、コントロールの感覚とか投げ込む体力をもう1回つくろうという感じ」

 昨年は、持病のぜんそくで思うように投げられなかった。初日は41球で、100球を投げられたのはキャンプ6日目だった。その後、症状が悪化して終盤に宜野座を離脱。シーズン中も歯車は狂い、成績は6勝9敗とふるわなかった。

 その反省から、今年は早めの薬服用で対策を打った。初日から予定の球数を投げられたのは、虎党にとって朗報。受けた坂本は「強いボールも来ていたが、西さんが目指すレベルまだまだ高い」と上積みを期待した。

 80球をすぎたあたりで、ブルペンを視察していた矢野監督に一声掛けられた。前日、今季限りでの退任を表明した渦中の人が監督に就任した19年に、オリックスから移籍した。

 「僕は矢野さんに引っ張られた」と恩義がある分、「奮い立つことはありますよね。暴れ回れるように、監督が行けと言ったら行く。長いイニングもそうですけど、結果を出したい」と力を込める。3・25の開幕から、その言葉を現実のものにする。(倉世古 洋平)

続きを表示

2022年2月2日のニュース