広島ドラ1・黒原  初日から「ほぼ全力」の34球 栗林なみのきれいな縦回転、佐々岡監督に披露

[ 2022年2月2日 05:30 ]

キャンプ初日、ブルペンで投げる広島ドラフト1位の黒原(右)と5位の松本(撮影・奥 調)
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 プロ野球は1日、12球団が一斉に国内でキャンプインした。広島の日南1次キャンプでは、ドラフト1位の黒原拓未投手(22=関学大)がブルペン入り。初日から全力投球を披露して、持ち前の球威や仕上がりの早さをアピールした。見守った首脳陣や捕手の石原をうなずかせる“上々デビュー”となった。

 黒原は、初ブルペンの前に首脳陣や同僚から「焦るなよ」と助言を受けていた。それでも、佐々岡監督や高橋投手コーチらが見守る前での投球に熱中していくうちに、初日からギアが全開に入った。

 「指導者の方やたくさんのカメラに見られていたので、緊張で力が入ってしまった。想定よりプラス2割くらい(の力感になった)。ほぼ全力でしたね」

 計34球のうち23球を占めた直球は見るからに力強かった。長所とする球威を存分に披露し、捕手を務めた石原が「直球に強さがある。きれいな縦回転で栗林さんみたい」と証言すれば、佐々岡監督からは「緊張していた中で、しっかり腕が振れていた」と全力投球を評価された。

 ドラフト1位で入団した森下や栗林は、ときに力を制御しながら1年目のキャンプを過ごしていた。同じ1位として初日から全力で飛ばす必要はない。それでもキャンプ初日を見据えて、1月中から調整を早めてきた。

 「(キャンプ序盤から)アピールしたいという思いはあります。入ってしまえば(ドラフト)1位は関係ないし、周りとのリードも全くない。むしろ食らい付いていく立場だと思っています」

 1月の合同自主トレでは、例年にない調整を強いられた。コロナ下で接触人数を減らすため、別組が練習していたマツダスタジアムを一度も使用できなかった。拠点とした大野練習場では、キャッチボールの距離は最大でも40メートル。「短い距離だとしても(相手が)いるところよりも遠くに投げるイメージで投げてきた。今日がそんなに投げづらいというのはなかった」。与えられた環境で最善の準備を進めた結果、初日から全力投球を披露することができた。

 「まだまだ良くなると思う。僕は強気に投げ込んでいく“気持ち系”の投手。熱いところや闘争心を出してガツガツとやっていきたいと思います」。確かな手応えとともに、充実の船出を終えた。(河合 洋介)

 ▼広島・高橋投手コーチ(黒原のブルペン投球に)全球種を低めのいいところに制球できていた。クイックで投げていたし、実戦でのうまさも感じさせる。楽しみです。

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