西田真二監督61歳 NPB、独立リーグで指導者を務めた熱血漢が社会人野球・セガサミーで目指す日本一

[ 2022年2月2日 21:54 ]

「今年も一戦必勝です」と意気込む西田監督(右) (撮影・柳内 遼平)
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 社会人野球のセガサミーは2日、八王子市のグラウンドで行われた練習を公開した。広島での現役時代は主に外野手として活躍した西田真二監督(61)は就任3年目を迎える。07年から19年まで独立リーグの四国・香川を率いた経験を持つ指揮官は社会人野球の舞台で日本一を狙う。

 「熱血漢・西田監督」を昔から知っている。記者は高校卒業後、独立リーグの四国・九州アイランドリーグの審判員になった。香川戦の球審を務める度にベンチから西田監督の甲高い声が飛んできた。「アンパイア~。そんなとこ打てんぞ~!」「オッ!きょうはよう見えとるな!ええぞ~!」。球場に活気を与える声はあれから10年以上たった現在も変わらない。マスクの下から発せられた指揮官の鼓舞する声がセガサミーの練習場に響く。

 19年は日本選手権、都市対抗ともに出場を逃したセガサミーは、20年に西田監督が就任したことで復活した。20年はコロナ禍の影響で、唯一の全国大会となった都市対抗で4強入り。21年は日本選手権で8強、都市対抗は2年連続の4強入りを果たした。

 抜群の制球力を誇るエース右腕・草海光貴投手と社会人野球トップクラスのフレーミング技術を持つ須田凌平捕手のバッテリーを軸に、守りの野球で勝利を積み重ねてきた。指揮官は「選手たちの自力がついてきた。特に草海は本当に成長しました」と実感を語る。

 越えるべき壁がある。社会人野球最高峰の舞台・都市対抗では18年、20年、21年のベスト4が最高成績。決勝進出まであと一歩のところで惜敗が続き「3回は勝てるんだけど、あと1勝がね…今年はもっと投手陣の層を厚くしたい。新人が戦力になれば良い戦いができると思います」と語る。法大から加わった最速154キロ右腕・古屋敷匠眞投手ら新人選手に即戦力の活躍が期待される。

 3月から公式戦がスタート。指揮官は都市対抗から逆算してチーム力のアップを目指す。「“負けて勝つ”ということもある。いろいろな選手を起用してどれだけ力を出せるかを見たい。去年は去年。また1年ずつ、挑戦というテーマを持って戦っていきたい」。61歳になっても変わらない通る声と鋭い眼光で決意表明した。(柳内 遼平)

 ◇西田 真二(にしだ・しんじ)1960年8月3日生まれ、和歌山県出身の61歳。PL学園では3年夏に「4番・投手」として甲子園優勝に導く。法大では外野手に転向し、82年ドラフトで広島から1位指名を受けて入団。現役引退後は広島でコーチ、独立リーグ・四国の愛媛、香川で監督を務めた。20年からセガサミーの監督に就任。左投げ左打ち。

 ▼ここが聞きたい (社会人野球で強いチームをつくるポイントは) 社会人は5~7年目の経験値が高い選手を軸に、若い選手が活躍できる場をつくっていくことが大事ですね。NPBはトータルで勝負ですが、社会人は短期決戦。隙のない野球が鍵になります。

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2022年2月2日のニュース