新フォームで浮上を期すサブマリン ソフトバンク・高橋礼インタビュー

[ 2021年8月24日 05:30 ]

ソフトバンク・高橋礼(撮影・中村 達也)
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 ソフトバンクのキーマンに迫る「どこまでも鷹(たか)く」。今回は高橋礼投手(25)を直撃した。今季は開幕ローテーション入りを果たしたが、制球難で2軍落ちを経験。ファームでは新フォームに挑戦し、東京五輪期間中に開催されたエキシビションマッチで4試合に登板し、計4回無失点と好投した。浮上のきっかけをつかんだサブマリンに、後半戦の逆襲にかける思いを聞いた。(取材・構成=福井 亮太)

 ――エキシビションマッチでは4試合に登板し、4回無失点。1軍マウンドで得た手応えは。
 「ゼロで抑えられたことで次につながると思う。フォームの部分はできていること、できていないことがはっきりある。マウンドの緊張感のある中で表現したい」

 ――ワインドアップの構えを変えるなど新しいフォームに取り組んでいる。取り組んでいる課題は。
 「下半身の使い方と投げるタイミングが大事。合っている時は納得いくフォームで気持ちの良い腕の振りができる。それを無意識にできるようにしたい」

 ――今季は開幕で先発ローテーション入りを果たした。ポジションへのこだわりは。
 「今は全くない。与えられたポジションでしがみつくしかない」

 ――2軍で調整したことで新しい発見があったのか。何をモチベーションに過ごしてきたか。
 「今までは感覚で投げていた。正しい体の使い方はあるので、フォームに当てはめている。長い野球人生を送るためには感覚じゃなくて本質を理解しないといけない。課題がはっきり分かっていたので毎日、反復で体に覚えさせている。できないことができるようになることがモチベーションになる」

 ――球速が上がらない時期が続いたが、徐々に戻ってきた。
 「まだ腕を振りきれていない。自分との戦いになっているのが課題。バッターに100%で向かっていけるようにしたい」

 ――今季は90キロ台のカーブ習得に挑戦してきた。現在、武器としている球種は?
 「今は直球。直球とのコンビネーションは大切にしないといけない。自信持って投げられた時はバッターも嫌な顔をする。フォームも崩れてはいけない中で、バッターと対戦しないといけない」

 ――激しい競争の投手陣の中でどう勝ち抜くか。
 「タイミングが他の投手とは違う。試合のペースが同じ時に仕事がしたい。先発もロングもショートもできる。幅が広いのは強み」

 ――東京五輪では侍ジャパンが金メダルを獲得。自身も代表に選ばれた経験があるが、注目していた選手は。
 「青柳さん(阪神)を見ていた。同じ変則として、どうやったら抑えられるか。メジャーの打者じゃなくても簡単にはじき返されるのは脅威に感じたし、自分がその場に立っている感じで見ていた」

 ――侍の正捕手・甲斐とは19年のプレミア12でバッテリーを組んだ。チームメートの投手から見て、信頼できるポイントは。
 「責任感が強い。1試合を絶対に無駄にしないし、諦めない。一球一球に気持ちを持って受けてくれるので、こっちも責任を持って投げないと拓さん(甲斐)の気持ちに応えられないと思って投げている」

 ――代表復帰への思いは。
 「またあの舞台で戦える技術を磨いて、選考されるメンバーに入りたい」

 ◇高橋 礼(たかはし・れい)1995年(平7)11月2日生まれ、千葉県出身の25歳。中学時代は流山ボーイズに所属し、3年から下手投げ。専大松戸から専大に進み、1部昇格した2年春には52季ぶりの優勝に貢献。同年夏にユニバーシアード日本代表で金メダル。17年ドラフト2位でソフトバンクに入団。19年に12勝を挙げて新人王を獲得し、同年のプレミア12では侍ジャパンの一員として世界一に貢献。1メートル88、87キロ。右投げ右打ち。

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