恩返しの夏は歴史を越えられず 二松学舎大付・関主将「監督を胴上げしたかった」

[ 2021年8月24日 12:51 ]

第103回全国高校野球選手権 3回戦   京都国際6-4二松学舎大付 ( 2021年8月24日    甲子園 )

<京都国際・二松学舎大付> 京都国際に敗れベンチに戻る二松学舎大付ナイン (撮影・亀井 直樹)
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 まだまだ恩返しをしたかった。延長10回裏。ネクストバッターサークルでゲームセットの瞬間を見届け、二松学舎大付・関遼輔主将(3年)は悔しそうに本塁前に整列した。

 「日本一になって監督さんに恩返ししたかったので悔しい。仲間ともっとやれたんじゃないかと…」。初回2死二塁から中前打を放って先制の1点をたたき出した。3点を追う9回には、先頭打者で左前打。7番・桜井虎太郎(3年)の同点3ランにつなげた。主将としてチームを鼓舞する4打数3安打。それでも、ベスト8までは届かなかった。

 96年から母校を率いてきた市原勝人監督が昨年、育成功労賞を受賞。今夏の甲子園で行われる予定だった表彰式に「監督1人で行かせる訳にいかない」とチーム一丸で甲子園切符をつかんだ。表彰式は雨天順延の影響でできなかったが「優勝して恩返し」が全員の合い言葉だった。だから勝ちたかった。

 夏の甲子園は過去3度の出場は3回戦が最高。「自分たちの代で歴史を変えたいと思っていた」。関主将はそう話し、後輩たちへ向けてこう続けた。「何年かかるか分からないけど、監督さんを胴上げすることを信じて思いを託したい」

 最多の順延、無観客という特別な夏。ただ、球児の思いは確かに受け継がれていく。(秋村 誠人)

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