中畑清氏 中田会見なし…日本ハム違うだろ!無期限処分が9日で解除にも違和感

[ 2021年8月24日 05:30 ]

中畑清氏
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 【キヨシスタイル!】日本ハムから巨人に電撃移籍した中田翔が、22日のDeNA戦で移籍1号を放った。受け入れた原監督ともどもホッとしたと思うけど、これで万々歳というわけにはいかない。ここに至る経緯には大いに疑問が残る。

 日本ハムが中田に1、2軍全試合出場停止の処分を科したと発表したのは11日。チームメートへの暴行という事の重大さから期間は「無期限」とされた。それがわずか9日後の20日に解除され、巨人へ無償トレード。驚いたのは、中田がいきなり巨人の入団会見に姿を見せたことだ。

 違うだろ。まずは日本ハムが記者会見を開いてトレードに至る経緯を説明し、中田はその席でファンに謝罪するべきじゃなかったのか。きちんとけじめをつけた上で処分を解除し、受け入れ先の新天地へというのが筋だろう。それなのに日本ハムはコメントを出すだけで、会見は開かなかった。自分の球団で起こした問題なのに、もう関係ありませんという態度だ。

 日本ハムだけじゃない。連盟やNPBの対応にも疑問が残る。選手の暴行事件という重大な案件なのに、連盟やNPBが関係者から事情聴取した形跡はない。しっかり調査して日本ハムの科した処分が妥当かどうかを検討し、場合によっては独自の処分を科すこともできたはずだ。

 今回の一連の流れで強い違和感が残るのは「無期限」だった処分が、移籍が決まった瞬間に、わずか9日で解除されたことだ。連盟やNPBが処分に関わっていたら、選手の所属先が変わってもすぐには解除できなかったと思う。

 ファンあってのプロ野球なのに、ファンに対する説明責任を怠った日本ハム。球界全体の問題として捉えるべき暴行事件を一球団の不祥事として報告のまま処理し、積極的な対応をしなかった連盟やNPB。ファンへの裏切り行為に思えてならない。怒りすら覚える。

 中田はすでに巨人の一員として試合に出ている。今さら元に戻すことはできないし、中田を責めるつもりはない。私が訴えたいのは、こうした問題が起きたときに球団、連盟、NPBが取るべき対応。ファン目線に立って球界全体で考えていただきたい。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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2021年8月24日のニュース