近江“西の横綱”大阪桐蔭に4点差逆転勝利!多賀監督「信じられない。100試合ぐらいの値打ちがある」

[ 2021年8月24日 05:30 ]

第103回全国高校野球選手権2回戦   近江6ー4大阪桐蔭 ( 2021年8月23日    甲子園 )

<近江・大阪桐蔭>大阪桐蔭を破り歓喜の近江ナイン(撮影・大森 寛明)
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 2回戦最後の1試合が開催され、近江が大阪桐蔭に逆転勝ちし、8強入りした18年以来3年ぶりに3回戦に進出した。2回までに4点を先行される劣勢をはね返し、7回に追いつき、4―4の8回2死満塁から途中出場の山口蓮太朗(3年)が決勝の2点二塁打を放った。

 大きな壁を乗り越えた。近江が4点劣勢から西の横綱・大阪桐蔭に逆転勝ち。勝利の瞬間、曇り空の甲子園にブルーの戦士たちの雄たけびが響いた。

 滋賀勢は5度目の挑戦で大阪勢に初勝利。春夏通算19回目の甲子園での指揮となる多賀章仁監督も「信じられない。こんな勝利は後にも先にも初めて。甲子園での試合は練習試合の30試合分ぐらいと思っていたが、きょうは100試合ぐらいの値打ちがある」と声を震わせた。

 決めたのは途中出場の3年生・山口だ。同点の8回2死満塁から外角直球を右翼線へ運ぶ決勝の2点二塁打。二塁上で何度も右手を突き上げた。

 「3年のみんなが満塁をつくってくれた。ベンチを外れたメンバーの気持ちも背負って、後悔なく全力で振ろうと思った」

 背番号「15」だった滋賀大会で9打数6安打4打点と活躍し、初めて1桁の「5」を手に入れた。日大東北との1回戦は出番なし。悔しくて宿舎で2時間半も一人で素振りした。「どうしても出たかった。その気持ちが打席で出た」。みんなが認める努力家で趣味はグラブ磨き。寮で同部屋の春山陽生主将は「試合に出ていなくても一人で道具やボールを磨いている。野球の神様はそういうところ見ているんだなと思った」とうなずいた。

 山口ら3年生はどん底からはい上がった。昨秋に県内34連勝で止まり今春は3回戦で逆転負け。多賀監督から「お前たちでは勝てない。3年生はこれでユニホーム脱いでくれ」と突き放された。それから春山主将を中心に奮起して体力強化からやり直した。

 3回にスクイズを決めた西山嵐大、4回にソロ、7回に右前適時打を放った新野翔大、8回に四球でつないだ井口遥希も3年生。勝負強いチームに生まれ変わった。3回戦の相手は好投手・渡辺翔真を擁する盛岡大付。横綱撃破を自信に変えて、全員野球で食らいつく。(中澤 智晴)

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