リトルリーグの聖地でエンゼルス・大谷が1安打2四球1盗塁!子供たちの前で「フォア・ザ・チーム」体現

[ 2021年8月24日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス0-3インディアンス ( 2021年8月22日    ウィリアムズポート )

<インディアンス・エンゼルス>試合前、リトルリーグ世界選手権の会場を訪問しサインする大谷(エンゼルス提供)
Photo By 提供写真

 エンゼルス・大谷翔平投手(27)が22日(日本時間23日)、ペンシルベニア州ウィリアムズポートで「リトルリーグ・クラシック」と称されたインディアンス戦に「1番・DH」で出場。当地で開催されている「リトルリーグ・ワールドシリーズ」出場チームの子供たちを招いた試合で1安打2四球1盗塁と存在感を見せつけた。打って、走って、フォア・ザ・チームの精神。ヒーロー・大谷が子供たちを魅了した。

 スーパーヒーローが目の前にいる。大谷は子供たちの熱い視線、憧れのまなざしを一身に浴びた。かつて自身も「水沢リトル」時代に目指したリトルリーグの聖地。胸に「WEST」と書かれた特製ユニホームを着て、目を輝かせる少年少女の前で大谷が躍動した。

 「たくさんの子供たちの前でプレーできて楽しいですね」。初回、二塁手のグラブをはじく強烈な右前打。1死後に今季19個目となる二盗を決めた。3回には四球で出塁し、フレッチャーの右前打でヒットエンドランを決めて一気に三塁へ。打つ。走る。二刀流で全米を席巻している27歳が示す、無限の可能性。目標は高く、夢は大きく。そんな大谷の思いが込められていた。

 「僕も(リトルリーグ時代に)目指していた。ただ、ここに来るようなレベルではなかった。少年時代に見ていた球場を見られて、いい経験になった」。この地で開催される年に1度の公式戦。本来なら試合前に子供たちの試合を観戦予定だった。あいにくの悪天候でキャンセル。触れ合いは記念撮影とサインだけで終わったが、大谷は自身のプレーでメッセージを伝えた。

 0―3の8回1死一、三塁ではスタンドから「ショウヘイ」コールが巻き起こる中、高めを冷静に見極め四球を選んだ。大会に参加している子供からの人気投票では同僚のトラウトに次ぐ2位。そのトラウトは「“楽しむこと”が一番大事。ポジティブに努力を続けてほしい」。ジョー・マドン監督も「自分を、そして仲間を“信じる”ことが大切」と子供たちにメッセージを送った。チームは敗れたが、大谷は2四球で「フォア・ザ・チーム」を体現。信じて、楽しむ。チームのために――。ベースボールの大原則であり、大谷の信条でもある。

 リトルリーグでは二刀流の選手も多く、それをメジャーの世界で実現している大谷は全米の野球少年のアイドルだ。好きな携帯ゲームについても質問され「クラッシュ・ロワイヤルですね」と笑った。こんなところも子供たちを引きつけるゆえん。プレーももちろん、その優しい笑顔で、心をわしづかみにしている。(笹田 幸嗣通信員)

 《エンゼルス地元のチームが特等席で声援》大会にはエンゼルスの地元カリフォルニア州の代表も出場。エンゼルスタジアムから車で30分ほどの場所にある「トーランス・リトルリーグ」で、エ軍ベンチ前の特等席から声援を送った。日系人4人が在籍し、3人が投手兼任の二刀流。オリー・ターナー・コーチは「みんな大谷のスーパーファン。彼が信じられないことをしていることで、子供たちが自分の可能性を信じている」と話した。

続きを表示

この記事のフォト

2021年8月24日のニュース