【イースタン期待の若手】ヤクルト1年目・木沢「焦り」救ってくれた石川の言葉

[ 2021年8月24日 05:30 ]

最速155キロを誇るヤクルトのドラフト1位・木沢
Photo By スポニチ

 ヤクルトのドラフト1位・木沢尚文投手(23=慶大)が1軍デビューを目指し、2軍で奮闘している。近未来のエース候補として期待がかかる即戦力右腕は、入団時の目標だった開幕1軍を逃した悔しさを糧に汗を流す日々。焦りに駆られたときに救ってくれた石川雅規投手(41)の言葉を胸に、自らと向き合っている。

 ドラフト1位ルーキーは冷静に現状を受け止めた。木沢は「今の立ち位置に関しては正直、思い描いていた通りには全くいってないと思っています」と歯がゆさものぞかせた。

 最速155キロを誇る即戦力右腕。1軍スタートした2月のキャンプ最終日に、プロのレベルの高さを痛感させられた。阪神との練習試合に先発。近本に外角直球を左翼へ二塁打された。「見逃すかなと思っていたところから、急にバットが出てきた。アマチュアでは経験したことない対応だった」。オープン戦でも結果を残せず、開幕を2軍で迎えた。

 「焦りました。春先くらいまでは自分自身に嫌気が差した」。救ってくれたのは石川だった。開幕当初、ファームで調整していたベテラン左腕から「1年目、いいスタートが切れていないかもしれないけれど、5年、10年投げるために今年どうするかを考えて過ごしたほうがいい」と助言され、「前向きになれました」と感謝する。

 課題は制球力。慶大で培ったクレバーさも強みの右腕は「感覚だけに頼らず、自分自身を俯瞰(ふかん)して見るように」とストライク率などトラックマンの数値も駆使して自己分析。イースタン・リーグでは17試合に登板し0勝6敗も、1軍のエキシビションマッチでは2試合に登板して計4回無失点と好投した。「自分自身のボールをストライク先行で投げていけば、何とか勝負できるなと感じた」と手応えを得た。

 1軍は優勝を狙える位置にいる。23歳は「今年一試合でも多く1軍のマウンドに上がって、チームの戦力になれたら。先発でも中継ぎでも求められるポジションで貢献したい」と力強く話した。(青森 正宣)

 ◇木沢 尚文(きざわ・なおふみ)1998年(平10)4月25日生まれ、千葉県出身の23歳。船橋二宮小6年時にロッテJr入りし、藤平(現楽天)らと12球団ジュニアトーナメントを制覇。慶応高では甲子園出場なし。慶大では2年春にデビューし、通算23試合で7勝2敗、防御率2・98。20年ドラフト1位でヤクルト入団。1メートル83、85キロ。右投げ右打ち。

続きを表示

この記事のフォト

2021年8月24日のニュース