阪神・伊藤将 虎新人左腕では遠山昭治以来35年ぶり6勝!「この試合のMVP」矢野監督も称賛

[ 2021年8月19日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神5-2DeNA ( 2021年8月18日    東京D )

<D・神>8回2失点の投球を見せた伊藤将(撮影・大森 寛明)
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 一度手放した勝利の権利が戻ってくるあたりも、相性の良さがなせる業か。勝ち越しを許した直後の8回に味方が3点を奪い再逆転。阪神・伊藤将は自身の最終イニングとなった8回を3人で抑えた。98球を投げ4安打2失点。球団の新人左腕では1986年に8勝した遠山昭治以来の6勝目を飾った。

 「(自己評価は)100点と言いたいですが(7回の)チャンスで無得点の後にオースティン選手にホームランを打たれてしまったので80点ですね」

 同点の7回2死一、三塁で打順が回ってきた。次打者席に原口が準備していたが、代打を告げられることなく打席に入った。四球を選んだが、近本が遊飛。その裏、1死からオースティンに勝ち越しソロを許し、敗戦投手かと思われたが、一転して勝利投手。今季のDeNA戦はこれで4試合に先発し3勝負けなしとなった。

 前半戦は5勝5敗。中盤に勝ち星が付かず悩んだ時期に、秋山の助言に救われた。「“勝てないときは自分のコントロールできる範囲のことを考えるように。数字であれば防御率やイニングだったりを見て(気持ちを)調整していくように”と言ってもらいました」。エキシビションマッチでは7月28日ロッテ戦で4回6失点など安定感を欠く投球もあったが、積み重ねてきた経験を無駄にすることなく、シーズン再開に向けてレベルアップと修正を図り、後半戦のスタートに臨んだ。

 矢野監督は7回に打席に立たせた理由について「何か一つだけのことで判断できる状況じゃなかったけど、あそこまで頑張っている将司に任せてみよう」と説明。「この試合の一番のMVPは間違いなく将司だよね」と左腕をねぎらった。

 真価を問われた一戦で結果を出した。「あと4勝なので一戦一戦勝てるように投げたい」。目標とする2桁勝利も見えてきた。(須田 麻祐子)

 《阪神新人6勝は藤浪以来》伊藤将(神)が6勝目。阪神新人投手のシーズン6勝は13年藤浪の10勝以来。左腕に限れば86年遠山昭治の8勝以来35年ぶり。6勝のうち半分の3勝をDeNA戦で挙げている。

 ▽遠山昭治の1年目 八代第一高から85年ドラフト1位で入団。86年5月14日の広島戦でプロ初勝利を2失点完投で飾ると、6月20日の中日戦で球団の高卒新人では67年の江夏豊以来となる完封をマーク。主に先発で27試合に登板し8勝(5敗)を挙げた。

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