高松商・長尾監督 25年ぶりの夏勝利にも安堵感「感染だけは気を付けて、甲子園に立とうと」

[ 2021年8月19日 20:43 ]

第103回全国高校野球選手権 2回戦   高松商10-7作新学院 ( 2021年8月19日    甲子園 )

<高松商・作新学院>8回2死満塁、藤井が勝ち越しとなる適時三塁打を放ち手を叩く高松商・長尾監督(撮影・河野 光希)
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 第103回全国高校野球選手権大会の第6日は19日、甲子園球場で1回戦と2回戦が行われ(第1試合は降雨ノーゲーム、第2試合は雨天中止)第4試合は2大会連続21度目の出場となった高松商(香川)が、10大会連続出場の強豪・作新学院(栃木)を10-7で破り、3回戦に進出した。高松商は1996年以来、25年ぶりの夏勝利で春夏通算60勝目。さらに松商学園に続き、4元号での勝利を記録した。

 試合後、長尾健司監督は「いや~、苦しかったですが、やはり校歌を歌えて、選手は気持ちよかったのではないでしょうか。よく粘ったと思います」と選手を称えた。5回までに5点差をつける展開だったが、8回に追いつかれた。「このままでは終わらないぞ。作新学院さんが、このまま終わる訳ないぞ。一つのミス、一つの四球から付け入ってくるよ、と(話していた)。そういう結果になったが、その後も、追い越されずに頑張れ、といつも言っているが、追いつかれた後も粘った。そこは褒めたい」と、8回に同点でしのいだことを勝因に掲げた。

 先発した背番号13の左腕・徳田も、6回途中まで3失点で、試合を引き締めた。初回、2回と併殺でピンチの芽を摘み、「序盤のピンチを落ち着いて守ってくれた。3回まで0を(スコアボードに)並べることを言っていた。それが得点につながったのかな、と思います。併殺を狙って投げていると思うが、うちの徳田に対して、作新学院さんのタイミングが若干ずれているような感じだったので、とにかく高めに浮かないように、低めに投げろと心掛けさせた。ラッキーだったと思う」と話した。

 打線は12安打で10得点と効果的に積み上げた。「ストライクゾーンに来た球を強くたたくこと」に徹して、4回以外は毎回安打で作新学院の投手陣を攻め立てた。そして、25年ぶりに甲子園で聞く校歌となったが、長尾監督は喜びよりもホッとした表情を浮かべた。「雨で順延や、コロナの中で香川県が大変な状況になっているのに、野球をやっていいのか、と。これでみんながコロナにかかったら、みんな『高商』に希望を持たれているファンの人にも申し訳ない。だから、感染だけは気を付けて、甲子園に立とうと。そこだけを考えてやってきたので、色んな意見はあると思いますが、少しでも力になれればと思います」と、神妙な面持ちだった。

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