明桜レギュラー唯一の秋田出身・渡辺勇伸 三塁の守備職人は「メンタルリーダー」

[ 2021年8月19日 08:06 ]

<ノースアジア大明桜・帯広農>12日のノーゲームとなった試合で安打を放ったノースアジア大明桜・渡辺勇伸=撮影・河野 光希
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 第103回全国高校野球選手権に4年ぶりに出場したノースアジア大明桜(秋田)は15日に行われた1回戦の帯広農戦に4―2で勝利した。21日の2回戦は02年に日本一となった名門・明徳義塾と対決。ロースコアが予想される一戦は三塁手の渡辺勇伸(3年)の守備に注目だ。

 渡辺は12日の帯広農戦で甲子園初安打となる左前打を放つも、ノーゲームで幻に。仕切り直しの15日は3打数無安打に終わり「しっかりクリアリング(課題分析)した。次は打って、監督さんに甲子園2勝目を届けられるように頑張ります」と力を込めた。

 渡辺の武器は華麗なグラブさばきを見せる三塁守備。秋田大会決勝・秋田南戦ではエース右腕・風間球打(きゅうた・3年)が0―0の2回に招いた1死満塁のピンチを救った。三遊間に飛んだ難しいバウンドの打球を素早く二塁に送り、5―4―3の併殺を完成。流れに乗ったチームは6―0で快勝。聖地への切符を手中に収めた。

 大黒柱の風間(山梨出身)や遊撃手・石田一斗(大阪出身)ら全国から精鋭が集まり、スタメンに地元・秋田出身は渡辺1人。「秋田で生きてきて、色々な人に支えられてここまで来れた。秋田代表としてチームのためにやっていきたい」とプレーに感謝を込める。

 秋田市にある渡辺の実家からノースアジア大明桜までは約3キロ。17年に甲子園出場を果たした姿に当時、中学生だった渡辺は「笑顔で楽しそうに野球をやっていて、自分も(輿石重弘)監督さんの所で野球をやりたいと思った」と進学を希望。父・伸也さん(44)は全国から集まる選手との競争に心配したが、渡辺は「俺は明桜で毎日戦う」と覚悟を伝えた。

 入学後は激しい競争の末、昨秋にレギュラーを獲得。輿石監督からはチームの「言葉・動作・表情」をプラスにする「メンタルリーダー」に指名されるなど信頼も厚い。

 甲子園での勇姿を観戦した父は「地元の方に支えられて野球ができています。笑顔と元気が特徴なので、応援してくださっている方に恩返しできるプレーを期待したいです」。親子はそろって地元への感謝を口にした。(柳内 遼平) 

 ◇渡辺 勇伸(わたなべ・ゆうしん)2004年2月18日生まれ、秋田県秋田市出身の17歳。小3から野球を始め、桜中では「秋田シニア」でプレー。2学年上の兄・浩伸さんは高校時に秋田商で、現在は桐蔭横浜大で内野手としてプレー。1メートル73、63キロ。右投げ左打ち。 

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