DeNA森 159キロ藤浪撃ちで連敗ストップに貢献

[ 2021年8月19日 23:05 ]

セ・リーグ   DeNA5―4阪神 ( 2021年8月19日    東京D )

<D・神>初回、適時打を放つ森(撮影・島崎忠彦)
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 DeNAの森敬斗は思った。「速い。でもこの球を打つ練習はしてきた」。高卒2年目の19歳が鋭く振り抜いた打球は、あっという間に一、二塁間を抜け先制右前打となった。

 とらえたのは、阪神先発の藤浪晋太郎投手の159キロの直球。初回無死二塁の初打席。4球目の剛球を運んだ。

 7月10日に今季初めて出場選手登録された「若き星」は、中断期間を挟んで9試合で7試合に「2番・遊撃」で先発出場。打率は・323と存在感を示している。2回の第2打席でも154キロを右前打。4打数2安打の背番号6に、東京ドームはわき続けた。

 50メートル5秒8の俊足にも注目が集まるが、2軍でコツコツと磨いてきたのが直球への対応。前日の9回は、阪神の守護神・スアレスの前に左飛に倒れたが、158キロの直球を2度ファウルにするなど、剛球に対しても振り負けない姿勢を示した。

 その対応力がこの日は藤浪相手に結果として表れた。「速球派の投手に対して、ちゃんと(バットを)いい出し方で打ち返せた」。自信に満ちた表情だった。

 甲子園では夏の高校野球が開催中。球児はコロナ下の難局で戦っている。森も桐蔭学園(神奈川)では19年センバツに出場。その後は高校日本代表入りも果たした。自身をプロへ導いた舞台はしっかりと「見ている」そうで「1試合1試合を仲間と戦えることをよろこんでもらいたい。凄い思い出になっている。そのことを伝えたい」とエールも送った。

 後半戦初勝利。連敗を3で止めた三浦大輔監督も「スピードボールに振り負けていない。まだ課題もあるが、いい働きをしてくれた」と称えた。

 森は言った。「簡単に打ち取られない意識で取り組んでいる。去年はチームに貢献できなかったが、今年は戦力として貢献できることを考えている」。首位相手の勝利に貢献。その活躍は、間違いなく最下位からの逆襲への戦力のものだった。(大木 穂高)
  

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