宮崎商ナイン 橋口監督に甲子園球場行き手作り「往復切符」プレゼント 3日前の誕生日に受け取り保留

[ 2021年7月29日 05:30 ]

全国高校野球選手権宮崎大会決勝   宮崎商4-0延岡学園 ( 2021年7月28日    ひなたサンマリンスタジアム宮崎 )

<宮崎商・延岡学園>橋口監督に選手が渡した往復切符
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 第103回全国高校野球選手権(8月9日から17日間、甲子園)の地方大会は28日、8大会の決勝が行われた。宮崎大会では宮崎商が延岡学園に4―0で勝ち、13年ぶり5度目の優勝。プロ注目の日高大空(そら・3年)と、長友稜太(2年)の両右腕がゼロ封リレーを演じた。

 抜群の安定感だった。宮崎商はエースの日高大空が7回3安打無失点と好投。13年ぶりの頂点に導く好投に「夏に甲子園に行くことを目標にやってきたので、うれしいです」と声を弾ませた。

 今春センバツで日高は今秋ドラフト候補、天理の達孝太(3年)と投げ合った。7回に崩れたが、6回まで2点に抑え、プロのスカウトからも将来性を高く評価された。夏に向けてセンバツの反省を生かし、練習では常に試合を想定。ピンチでギアを上げることを意識して取り組んだ。決勝ではスライダーなどの変化球を低めに集めた。「インコースにストレートが決まるようになった。変化球でカウントを稼げるようになった」と手応えを口にした。橋口光朗監督は「自信を持って投げていた。(甲子園で)投球術を覚えたのかな」と目を細めた。

 8回から登板した長友稜太は9回に自己最速を2キロ更新する146キロをマークするなど、力強い直球を武器に打者6人をパーフェクトに抑えた。「最高のピッチングができたと思います」と胸を張った。春季九州大会では準々決勝の九州国際大付戦で5失点し、「上半身だけで投げていたので、左足にためをつくることを意識した」とフォームを改良して投球が安定。今大会は4試合に登板し無失点。日高が完封した準々決勝以外は2人の継投で勝ち上がった。

 準決勝前日の25日は橋口監督の33回目の誕生日。選手やマネジャーは「宮商野球部→阪神甲子園球場」と記された手づくりの往復切符をプレゼントしようとした。指揮官は「一番のプレゼントは甲子園に行くことだから。(決勝がある)3日後に渡せ」と選手に預けていた。ナインは最高の形で約束を果たした。(杉浦 友樹)

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