【野球】小さなことの積み重ねが勝敗を分けた 次戦メキシコもドミニカ共和国と似たタイプ-新井貴浩の目

[ 2021年7月29日 05:30 ]

東京五輪第6日 野球1次リーグA組   日本4ー3ドミニカ共和国 ( 2021年7月28日    福島県営あづま球場 )

<日本・ドミニカ共和国>9回1死一塁、近藤は右前打を放つ(撮影・北條 貴史)
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 苦しいときこそ小さなことの積み重ねが道を開く。9回1死一塁。代打・近藤の打席でカウント2―1から4球目の内角球はストライクでもいい微妙なコースだった。一塁走者・柳田の偽走につられた捕手がけん制へ動き、普段通りのフレーミングができなかった。打者有利のカウント3―1へ。近藤が5球目を右前打して一気に攻撃がつながった。柳田ができることをしっかりやった結果だった。

 逆にドミニカ共和国は9回1死一、三塁からの二塁打で一塁走者が三塁止まり。9回の守備でも投手のベースカバーが遅れたことで柳田が内野安打で生き残った。基本的なことが大切だと改めて感じた。

 序盤から重たい雰囲気になった。初戦独特の緊張感。北京大会のキューバとの初戦で初回の好機で見逃し三振に倒れたことを思い出した。体がいつものように動いてくれない。硬くなる気持ちは分かる。勝てたことが一番だ。平良がイニング途中で救援し、山崎や栗林も登板。源田も代走で出た。初戦から出場できたことは良かった。

 7回に青柳が先制打された外角低めのシンカーは決して甘くなかった。1巡目を見た段階で1、8、9番の打者が不気味と感じていた。強く踏み込みつつ、コンパクトなスイングで対応してきたからだ。大きく振る中軸の打者に対してだけでなく、コンパクトに振る打者にも内角を突く必要性を甲斐も感じたのでは。次のメキシコも同じ中南米で似たタイプがいると思う。勝った中で収穫を得られた。(スポニチ本紙評論家)

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2021年7月29日のニュース