低迷するDeNA 悪いなりにどう結果を出すか

[ 2021年6月2日 08:30 ]

横浜スタジアム
Photo By スポニチ

 リーグ最下位に低迷するDeNA。持ち前の打撃力を発揮して勝つのは数試合に1度だ。よく「打線は水もの」と言われる。アーチ攻勢で勝利を続けることは、簡単ではない。

 昨年10月に左肩をクリーニング手術し、5月23日のヤクルト戦で復帰登板した今永は登板前に「体調がいいときの方が少ない。悪いときに悪いなりにどう結果を出すかを考えたい」と話した。エースの言葉は重みがある。

 それをチーム状況に置き換えると…。5月は打線好調。交流戦の出だしも悪くないが、借金2桁でのリーグ最下位と考えれば状況は悪い。今永の言葉を借りれば、悪いなりにどう結果を出すか。

 28日からの楽天3連戦は興味深かった。パ・リーグで首位争いする相手に1勝1敗1分けも3試合の両軍の盗塁、犠打、犠飛を比較するとチームは盗塁0、犠打1、犠飛0で、相手は盗塁1、犠打5、犠飛2。30日の3回戦の0―0の3回は楽天は無死二塁で2番・鈴木大地内野手が犠打、続く3番・浅村栄斗内野手の中犠飛で先制点を奪った。両選手ともに球界を代表する好打者。今永が言う「悪い状況」で仕事をこなした。

 一方でチームは同点の5回無死一塁で今季この打席前まで10打数無安打の8番・細川に「打て」で中飛。9番・大和がニゴロ併殺打に倒れた。相手先発の早川も好調。だが加点困難な「悪い状況」で、細川に期待し結果が出なかった。三浦監督は「もちろん(犠打の)選択肢はあった」と話したが、投手戦の中で先の塁を奪う姿勢に差が出た。今季盗塁数も5月30日終了時点でリーグトップの阪神の43に34差の9だ。

 走力は一朝一夕で上向くことはない。ならば犠打、犠飛、進塁打などで得点に近づく姿勢は必要。5月30日終了時点で交流戦12球団トップの14発は明るい話題ではあるが、それだけでは借金は減らない。(記者コラム・大木 穂高)

続きを表示

2021年6月2日のニュース