日本ハム・中田が実戦復帰 2軍戦で1安打 再起へ「もう一回やらなアカン、という気持ち」

[ 2021年6月2日 05:30 ]

イースタン・リーグ   日本ハム4―10巨人 ( 2021年6月1日    鎌ケ谷 )

イースタン・リーグ、巨人戦で実戦復帰した日本ハム・中田
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 打撃不振で5月17日に出場選手登録を抹消された日本ハムの中田翔内野手(32)が1日、イースタン・リーグの巨人戦(鎌ケ谷)で実戦復帰した。「4番・一塁」でフル出場して8回に左前打を放ち、3打数1安打1四球。自ら申し入れた再調整を経て、再びチームの力になることを誓った。中田の復帰を待つ1軍は、渡辺諒内野手(26)の1号2ランなどで広島に快勝した。

 背番号6が帰ってきた。3回の打席では、中田の登場曲の中でも代名詞といえる「My Hero」が流れた。

 「ずっとお前に助けられた分 俺らが助ける番だね 豪快な夢を見せてくれ エールを送るよ My HEROへ」

 手拍子から最後は大きな拍手へ。コロナ下の応援マナーで声援を送ることができない745人のファンが、中田へ送る最大限のエールだった。ファンの熱い思いは、当然中田にも伝わっていた。「自分のユニホームやタオルを持っている人もいた。本当にありがたかった」。そして、心配するファンへ力強く言った。

 「今日まで本当にいろんな人に迷惑をかけたと思うし、心配もかけた。もう一回やらなアカンっていう気持ちになっている」

 17日ぶりの実戦は、バットの先に引っ掛けた左前打1本に終わったが、ファンが求めていたのは再起を目指す中田の言葉。そう話す表情はすっかり闘志がみなぎっていた。

 責任感の強い主砲は、やはり自ら再調整を申し入れていた。35試合に出場して打率・197、4本塁打。昨季3度目のタイトルを獲った打点は11しかない。「チームの足を引っ張るのは嫌」と自ら栗山監督に直訴し、5月16日のソフトバンク戦でベンチを外れた。そして、抹消された翌17日から札幌市内で休みなく打ち込みを行っていた。「1人でいろいろと考えて、練習にしっかり没頭できる空間をつくってもらったので凄く感謝している」。その感謝を示すのはもちろん1軍の舞台だ。

 「これからファームで頑張って(状態を)上げていくだけ」。最下位に沈むチームに足りないのは豪快な一発だ。中田が描く鮮やかなアーチをみんなが待っている。(東尾 洋樹)

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2021年6月2日のニュース