清原和博氏の長男が神宮デビュー スタンドとグラウンド。父子の愛情を感じた空間

[ 2021年6月2日 17:53 ]

東京六大学野球フレッシュトーナメント   慶大2―0東大 ( 2021年6月2日    神宮 )

<新人戦 慶大・東大>試合前、父・和博氏が見つめる中、素振りを繰り返す慶大・清原(撮影・沢田 明徳)
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 1メートル86、90キロ。慶大のメンバー表に書かれた清原正吾選手の身長、体重を見て「オヤジさんが西武に入団したときと一緒だな」と思った。オヤジさんとは高卒1年目で3割、31本塁打を放ち、通算525本塁打を放った和博氏。顔は間違いなく息子の方がイケメン。前日は出場がなく、それでも和博氏は試合前からスタンドに陣取り慶大ベンチを見守った。

 「なんで学生が監督やってるん?」久しぶりに顔を合わせた私にそう聞いた。新人戦は主に下級生を指導している学生コーチが指揮を執っている。仕組みなど大学野球について説明したが、プロ一筋にきた和博氏には新鮮に映っただろう。

 バレーボールにアメリカンフットボール。中学、高校6年間も野球から離れていたハンデは守備にあるという。ただ80人以上いる1、2年生の中でベンチ入り25人に入れるのだから、ポテンシャルの高さは堀井哲也監督も認めている。あとは本人の努力次第だろう。

 父と比較されることを分かったうえで踏み込んだ野球の道。堀井監督は「相当な覚悟があったので入部を許可した。春のオープン戦で使ったが長打も打ったし打撃は見るべきものがある」と話した。

 この日、代打での神宮初打席は右飛に終わった。「H」のランプはお預けとなったが「おやじのような選手になりたい」とバットを握る正吾をスタンドから無言で見守る和博氏。グラウンドとスタンド。言葉は交わせなくても父子の愛情を感じさせる空間だった。(元西武担当 落合 紳哉)

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2021年6月2日のニュース