日本製鉄鹿島が日本選手権出場に王手 九州男児の守備職人・柳内一輝が決勝打&美技

[ 2021年6月2日 19:23 ]

日本選手権大会 関東代表決定戦 2回戦   日本製鉄鹿島(茨城)2―0オールフロンティア(埼玉) ( 2021年6月2日    等々力球場 )

好守で躍動した2年目の柳内(撮影・柳内 遼平)
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 日本選手権に4年連続出場中の日本製鉄鹿島(茨城)がオールフロンティア(埼玉)に2―0で競り勝ち、日本選手権の本大会出場に王手をかけた。2年目の柳内一輝内野手(23・九産大)は「9番・二塁」で先発出場。打撃の成長が著しい若武者は2回に決勝の右前適時打を放った。

 昨年出場した都市対抗でチームは初戦敗退。新人だった柳内の出番はなかった。都市対抗後に中島彰一監督から課題を出された。「振る力をつけよう」

 0―0で迎えた2回2死二塁。身長1メートル72の左打者に打席が回った。一冬超えて鋭くなったスイングで痛烈な打球を右前に運んだ。チームを勝利に導く適時打は自身の成長を示す一打でもあった。

 「最年長の片葺さんを何としても返そうと、初球から思いっきりいきました。チームで先制点を取ろうと言っていたので、ホッとしました」

 川崎宗則内野手(BC・栃木)に憧れる柳内は内野のどこでも守れる守備職人。熊本・九州学院で甲子園に2度出場し、福岡・九産大では明治神宮大会に出場。アマチュア最高峰の舞台を経験してきたが、昨年加わった社会人野球の日本製鉄鹿島では「大学とレベルが全く違う。1つも2つも上だと感じました」とベンチを温める日が続いた。

 高校、大学では1年生でレギュラーを掴んできた。勝負の2年目は「100パーセントアウトにする気持ちでやっている」と自信を持つ堅実な守備で出場機会を得ると、冬に力をつけた打撃力でアピールに成功。日本選手権出場が懸かる大会で見事にスタメン出場を勝ち取った。

 8回は弱いゴロに猛チャージをかけて、ジャンピングスローで一塁をアウトにする美技も見せた。攻守で躍動する九州男児は「去年、日本選手権がなかったので、明日は何が何でも勝ちたい」と関東代表を決める一戦に闘志を燃やした。(柳内 遼平)

 ◇柳内 一輝(やなぎうち・かずき)1997年6月19日生まれ、佐賀県鳥栖市出身の23歳。小学1年で野球を始める。田代中では鳥栖リトルシニアに所属。熊本・九州学院では3年春、夏に甲子園出場。九産大では1年春からベンチ入り、1年秋からレギュラー。1メートル72、75キロ。右投げ左打ち。

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