たった2日で立ち位置が激変したルーキー 巨人・秋広“世界最大級の挑戦”

[ 2021年2月23日 09:00 ]

<巨人沖縄キャンプ>走塁練習をする湯浅(左)と秋広の身長差は「30センチ」! (撮影・森沢裕)
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 プロ野球は結果が全てだと改めて感じさせられた。巨人の高卒新人の立ち位置が、たった2日間で激変した。元々はじっくりと育成する方針だった身長2メートルのドラフト5位・秋広優人内野手(18=二松学舎大付)が「飛び級昇格」したのは、「打ったから」だ。

 2月8、11日の紅白戦2試合で計7打数5安打。12日に他の先輩を「ごぼう抜き」する形で2軍から1軍に昇格した。打撃練習で鋭い打球を飛ばしても、夜間練習で誰よりもバットを振っても、早期1軍昇格は叶わない。実力の世界。打った者だけがのし上がる世界と改めて痛感した。

 秋広が大活躍した11日の紅白戦後、原監督は自身がプロ入りから最も緊張した経験を回想している。「宮崎で一番最初の1カ所バッティング。すっごい緊張した」と1年目の春季キャンプを振り返った。81年当時のスポニチ2月15日付け1面にあった。「新人王弾 巨人1号・原」。シート打撃で藤城の初球を左中間に運んでいる。

 4球団競合の末に巨人に入団した大型ルーキーだ。81年2月の本紙を調べると28日間で原監督が1面に登場したのは、何と13回。

「若武者振り47発 原(2月12日1面)」
「定岡も打った 原(2月17日1面)」
「長島抜く2安打・原(2月23日1面)」
「連発140メートル場外・原(2月24日1面)」

 81年1月31日に当時の新聞記者から「キャンプに入ったら厳しくいくよ」と言われたという。原監督は今でもその言葉を覚えていた。大物新人を厳しく査定するつもりだった報道陣にバットで実力を証明し、称賛させる滑り出しを切ったのだ。

 プロ野球の歴史で最長身野手である秋広は、2月9日の本紙で1面を飾った。見出しは「2メートル 世界最大級の挑戦が始まった」。今後の活躍が楽しみで仕方ない。(記者コラム・神田 佑)

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2021年2月23日のニュース