初2番で先制4号 阪神・陽川「早く戻ってきて」 同期ウメの穴をウメた

[ 2020年9月19日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神8-4中日 ( 2020年9月18日    ナゴヤドーム )

<中・神(13)>初回1死、陽川は右中間に先制ソロ本塁打を放つ。投手柳(撮影・北條 貴史)
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 快音を残した打球は吸い込まれるように右中間席に着弾した。プロ7年目で初めて2番に座った阪神・陽川が抜てきに応えた。

 「追い込まれていたので、何とかコンパクトに、後ろにつなげたいと思って打席に入った。感触はよかったので、“行ってくれ”と思って走ってました」

 初回1死。カウント2―2から柳のスライダーを仕留めた。先制の4号ソロ本塁打。4試合ぶりの一撃に恒例となっている“ゴリラパンチ”で祝福され、笑顔がこぼれた。

 「打順でやることは変わらないので、そういう気持ちでやっていた」

 人生で初の2番にも気負いはなかった。7月24日の中日戦では初めての1番も経験済み。この日も同様に新たな打順を任されたが、スタイルを変えることなく、持ち前の長打力を発揮した。

 6回には一挙5得点の口火も切った。先頭で外角カットボールを中前へ。自身の初回以来となるチーム2本目の安打が、大山のV弾を呼んだ。12日の広島戦以来、5試合ぶりのマルチ安打を記録。矢野監督からも「いい働きを見せてくれている。何とか気持ちで(何とか)しようと思っていることを結果として出せるような形にはなってきている」と評価された。

 この日は「右腹斜筋の筋挫傷」で離脱した梅野の“代役”という形で2番を務めたが、負傷した同学年の思いも背負って打席に立った。同じ1991年生まれで、13年のドラフト同期組でもある。同期入団の岩貞、岩崎もそろって登板。陽川だけではなく3選手が一体となって、正捕手不在をカバーした。

 「しっかり治して、また一緒に。早く戻ってきてほしいです。(その間も)僕自身は頑張るだけなので」

 梅野の早期復帰を信じて――。一喜一憂することなく、背番号55はこれからも自らの役割を全うしていく。(長谷川 凡記)

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