ヤンキース「なぜそこに伝説」再び マー君 光った中継プレーで3勝目「僕にとって普通」

[ 2020年9月19日 02:30 ]

ア・リーグ   ヤンキース10―7ブルージェイズ ( 2020年9月17日    ニューヨーク )

3回1死二、三塁での田中の好プレー
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 「なぜそこに伝説」再び――。ヤンキースの田中将大投手(31)がブルージェイズ戦で今季最長の7回を投げ、7安打3失点で今季3勝目を挙げた。打者走者を二塁で刺し、自らピンチを救った3回の中継プレーが光った。通常あり得ないポジション取りは、01年ヤ軍のデレク・ジーターによる「ザ・フリップ」をほうふつ。チームの8連勝につなげ、ポストシーズン進出へ勢いづいた。

 何事も、基本があっての応用。基本に忠実かつ、応用力が高いほど一流になる。類いまれな状況判断に基づいたプレーを田中は「まあ、普通ですね。僕にとっては普通です。何にも騒ぐ必要はないです」と平然。しかし、冷静でいられなかったのは、テレビ中継で解説を務めた球団OBの完全試合男、デービッド・コーン氏だった。

 「まるでオークランドの試合でのジーターのようだ!」
 2―1の3回1死二、三塁。ビシェットのピッチャー返しが中前へ抜けた。中堅手の本塁送球がやや高く、ビシェットは二塁をうかがう。だが、なぜか田中が投本間の真ん中にいた。送球をジャンピングキャッチして二塁へ転送。ヘッドスライディングもむなしく憤死したビシェットは、苦笑いで天を仰いだ。

 本来なら投手は本塁でのクロスプレーを想定し、捕手の後方へカバーに走る。だが、田中は頭部付近を襲ったライナーを避けてしゃがんだ姿勢のまま、すぐさま二塁走者を目で追った。「ランナーが(本塁へ)走っていないのが見えた。カバーに行くのをやめた」。今度は、二塁を狙った打者走者の動きが右目の隅に入る。「走ったのが見えた。あ、これは俺捕れるなって」と軽くジャンプ。着地と同時に送球し、見事に刺した。

 コーン氏が言う「ジーターのよう」は、01年プレーオフで遊撃手がいるはずのない位置で本塁へ中継した「ザ・フリップ」。「なぜジーターはそこにいたんだ」と語り継がれる伝説のプレーだ。この回を同点にとどめた田中は結局、今季最長の7回を投げ3勝目。3位ブルージェイズとの対戦でプレーオフ進出マジックを4に減らし、首位レイズを3・5ゲーム差で追走する8連勝につなげた。

 この打球以外にも、足元でショートバウンドする強烈な当たりを難なくさばくなど、18年にゴールドグラブ賞最終候補に残った守備力を改めて披露。「全体的にしっかりと抑えられたと思いますし、いい登板だったと思う」。開幕直前の練習で打球が頭部を直撃した影響で出遅れたが、9月だけで3勝。ポストシーズン男と呼ばれる右腕は、ここぞの勝負で輝きを増す。

 ▽「ザ・フリップ」 01年10月13日、アスレチックス―ヤンキースの地区シリーズ第3戦でヤ軍が1―0のリードで迎えた7回の守備。2死一塁からの右翼線二塁打で一塁走者Je・ジアンビが長駆生還を狙ったが、一塁ベンチ寄りにそれた右翼手の送球を遊撃手のジーターがバックアップ。巧みなバックトスで本塁で刺した。2連敗で王手をかけられていたヤ軍は勢いづき、ワールドシリーズまで勝ち進んだ。

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