「不動の4番」巨人・岡本 リーグトップ6度目V打!自然体の構えで苦手コースなし

[ 2020年7月24日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人6―1中日 ( 2020年7月23日    ナゴヤD )

<中・巨>8回無死満塁、岡本は勝ち越し2点タイムリー二塁打を放つ(撮影・森沢裕)
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 勝負強い4番だ。巨人の岡本和真内野手(24)が23日の中日戦で同点の8回無死満塁から左翼線に勝ち越しの2点二塁打を放った。リーグトップの10本塁打だけでなく、同トップの決勝打は今季早くも6度目を記録し、首位を独走する原動力となっている。内角も外角も対応し、苦手なコースがない。勝負どころで強さを発揮する打撃に迫った。

 泰然自若。何事にも動じない「不動の4番」の岡本には、その言葉がよく似合う。決勝打の場面がそうだ。

 「強く意識して(打席に)向かいました」。1―1の8回無死満塁。「意識」とは勝負どころという意味だ。左腕・福に追い込まれた。内角に4球中3球。いわゆる「クロスファイア」を投げられ、カウント2―2となった。「意識」はもうひとつ。内角だ。厳しく突かれた144キロ直球。それでも素早く腕を畳んで引っ張った。鋭い打球は左翼線に転がる決勝の2点二塁打となった。

 「(先発の)CC(メルセデス)が頑張っていたし、つないでもらったので、何とかしたかった。打ててよかったです」。引っ張るべき球を引っ張る。それがフェアゾーンに飛ぶ。コースなりに素直に打ち返す理想の打撃が具現化できている。

 決勝打は早くも6度目でリーグトップ。昨季はシーズンで10度だっただけに、勝負強さは際立つ。打率は・324で、得点圏では・387まで上昇する。リーグトップの10本塁打に、同2位の29打点。どのコースも苦にしないから安定した打撃を見せ、好機にはさらに真価を発揮する。

 今季の34安打のコース別の内訳は、内角10、真ん中14、外角10。どのコースもまんべんなくヒットにしていることが分かる。元々はプルヒッターで引っ張る打撃が得意だった。内角にはめっぽう強い。さらに今季は打撃フォームをオープンからクローズ気味に変更し、外角球への対応力も上がった。コースごとにボールを捉えているから、広角に打球を飛ばせている。だから、原監督も「安定して、いいところで打ってくれていますね」と厚い信頼を寄せ、不動の4番に置いている。

 岡本は対戦投手の配球の勉強も欠かさない。ベンチでは配球チャートをよく見てから、打席に向かう。頭の中で配球の「絵」を描いてから打席に立つことで、ボール球に手を出さなくなった。特に参考にしているのが、2歳上の広島の4番・鈴木誠に対する配球。同じ右の強打者に対して、各球団が練った対策を自らにも照らし合わせて、ヒントにしている。この日の内角攻めを苦にせず打ったのも、そんな理由がある。(青森 正宣)

 ≪昨年は6度目V打まで92試合≫岡本(巨)が8回無死満塁で決勝の2点適時二塁打。これで今季のV打は27試合で早くも6度目となる。セでは村上(ヤ)の4度を上回り最も多い。昨年は10V打を記録したが6V打目まで92試合かかっており、今季はハイペースで積み上げている。また、満塁成績は今季5打数2安打(打率・400)、4打点。通算では28打数9安打(・321)、0本塁打、24打点だが、中日戦に限ると7打数4安打(・571)、9打点と好結果を残している。

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