近大高専 高専初の聖地へ「21世紀枠」吉報待つ

[ 2020年1月24日 07:00 ]

ハレル~ヤ 吉報とどけ(下)

高専初の甲子園出場決定を待つ白石晃大(左)、田島大輔
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 歴史の重い扉は開かれるか。近大高専(東海・三重)は昨秋の三重大会を制覇。東海大会では2回戦敗退も、21世紀枠の東海地区代表に選ばれた。投手としても主戦を務め、打率5割超えの不動の1番打者、白石晃大(3年)は運命の日を控え、期待と不安が入り交じった表情で率直な思いを吐露した。

 「地区代表に選ばれてから、みんなで毎日のように“甲子園に出たら…”と話しています。選んでいただけたら、どんな敵でもひるまずに暴れたいです」

 全国に57校ある高等専門学校だが、高校野球100年余りの歴史で春夏通じて甲子園出場はゼロ。5年間のカリキュラムでものづくりの“即戦力”養成が目的の学校。成績も大学と同じく秀~可で判定される。近大高専も例外ではない。テスト60点未満は赤点となり、上回るまで何度も追試。部員60人全員がそろって練習できるのが毎週金曜日のみなどの厳しい環境下で結果を残した。21世紀枠の9校中、唯一の県優勝の実績は大きなアドバンテージだ。

 選抜出場も見据え、冬は実戦形式の練習を例年より増やしている。「あくまで夏の三重大会優勝が最終目標ですが、そう思って練習することがセンバツにも好影響になる」と重阪俊英監督(37)は狙いを話す。この日は入試日で1日練習だったが、あいにくの雨天でグラウンドが使用できず、ランニングや基礎トレーニングを中心に汗を流した。「自分たちが甲子園で戦っている姿を夢に見ることもあります。緊張しますね」と田島大輔主将(3年)。夢を正夢に――。全国の高専生の希望となるためにも、首を長くして出場決定の吉報を待つ。 (北野 将市)

 ≪田島主将けん引 自分よりチーム≫主将の田島は昨秋の公式戦出場わずか1試合ながら、練習でのインターバル走チーム最速タイムで自らを追い込むなど、ストイックな姿勢はナインから信頼され、重阪監督も「自分がフォローすべきところを、気づいたらやってくれている」と頭を下げる。個人目標は「自分の出番より、ただこのチームを強くしたい」。個々の“部品”ではなく、全体としての“製品力”向上だけを見据える田島の存在が、近大高専を支えている。

 ◇近大高専 1962年(昭37)に創立された全国で3校しかない私立の高等専門学校。野球部は63年に創部され甲子園出場はなし。OBに鬼屋敷正人(巨人ブルペン捕手)がいる。所在地は三重県名張市春日丘7の1。村田圭治校長。

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