【20年版球界新士録(10)】広島育成3位・畝 チーム唯一の右横手 「諦めの悪さ」で支配下へ

[ 2020年1月24日 08:00 ]

<広島>高い向上心を胸に支配下登録を目指す畝(撮影・奥 調)
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 18年4月2日、高松レクザム球場。四国アイランドリーグplus・香川は本拠地開幕を迎えていた。入団したばかりの先発・畝は巨人3軍のメルセデスと投手戦を演じ、8回で9三振を奪って3安打零封。近い将来に光をともす快投だった。

 「真っすぐが速くなくても、変化球をうまく制球したら抑えられる。自分のスタイルが持てた気がします」

 激動の野球人生だ。広島新庄時代は控えの内野手で、公式戦は不出場。「投手をやってダメなら…」。独自で練習に励み、名古屋商大には投手として進学。中村順司監督の勧めもあって3年時に上手投げをスリークオーターに変え、4年春から登板数が増えた。

 「伸びしろはまだある」。そう決心し、卒業後は四国・香川に入団。そこでも変化を恐れず、「より特長を出すために」2年目の昨季からサイドハンドに挑んだ。前期は振るわなかったが、感覚をつかんだ後期は5勝を挙げ、防御率1点台。プロへの道が開けた。

 畝龍実・広島3軍統括コーチの長男。親の七光…などの雑音が耳に入るが「仕方がない。結果で示すしかないので割り切っています」。既に24歳。与えられる時間も長くはない。「当然そう。今年出せなかったらダメという気持ち」。言葉の端々に覚悟がにじむ。

 パフォーマンス向上へ、オフは手塚一志氏が主宰する「上達屋」に通い、トレーニングと並行して体の使い方を学んだ。「悪い部分を改善すれば体力や技術は伸びるはず。僕、諦めが悪いんです」。チームで唯一の横手投げ右腕は、ほほ笑みながら下克上を誓った。(江尾 卓也)

 ◆畝 章真(うね・たかまさ)1995年(平7)9月9日生まれ、広島市安佐北区出身の24歳。広島新庄では控え内野手。名古屋商大で投手に転向。四国・香川2年目の昨季は横手投げに変え、24試合で5勝5敗、防御率3・28。最速144キロの直球に、3種類の変化球を制球よく操る。父・龍実氏は広島3軍統括コーチ。1メートル77、83キロ。右投げ両打ち。

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