ジーター氏のすべらない“スタバ”話 「気配りの人」と感じた瞬間

[ 2020年1月24日 09:00 ]

デレク・ジーター氏(AP)
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 みなさんは「同い年」の著名人を挙げろと言われたら、誰を挙げるだろう?1974年生まれの野球記者は、かつてヤンキースで活躍した「ジーター」「松井秀喜」の両氏の名を挙げることが多い。

 日本時間の21日。今年の米国野球殿堂入りメンバーが発表され、そのデレク・ジーター氏(45)が資格獲得1年目で選出された。初めて生でジーター氏を見たのは05年。メジャー取材で訪れた、ニューヨークの旧ヤンキースタジアムのロッカールームだった。幸運にも、現役最後の年だった14年もメジャー担当としてヤ軍を取材した。ヤンキースタジアムでの最終戦だった同年9月26日(日本時間27日)のオリオールズ戦、最終打席ではサヨナラ安打。記者席から撮影した動画は今でもスマートフォンに保存されている。

 「ザ・キャプテン」と呼ばれるスーパースター。その人柄を表すエピソードをヤ軍に在籍する日系選手のヒガシオカが「インスタグラム」で披露した。現在、29歳で田中ともバッテリーを組んだ経験もある捕手。7、8年前、マイナー時代に参加したフロリダでのメジャーの春季キャンプでのできごとだったという。休養日に昼食を食べようと歩いていた際、スターバックスの前を通りかかると誰かに大声で名前を呼ばれたという。声の主はジーター氏。「しかも、あのデレク・ジーターがわざわざ僕の方に向かって“ハーイ”と言いに近づいて来た。他のチームメートと同じように扱ってくれた」。まだ、メジャーデビューもしていなかった若手に対してスーパースターが取った行動にヒガシオカは心底、感激した。「若いマイナーリーガーにそんな時間と労力を費やすスター選手はそういない。絶対に忘れられないし、“ジーターってどんな人”って聞かれたら、いつもその話しをするんだよ」とつづった。

 記者もスターバックスで、ジーター氏との思い出がある。14年の夏。クリーブランド遠征中だった。ホテルから球場へ向かっていた記者がスターバックスに入ると、3、4人の列の前方にジーター氏が並んでいた。しばらくしてジーター氏が注文を終えると、ある男性が近づいて記念撮影をねだった。一番、近くに立っていた日本人の私が、スマートフォンを受け取り撮影役に。記念撮影が終わった時は、何もなかったが、記者がコーヒーを買い終えて店を出ようとした時、ヒガシオカと同じような体験をした。まだ商品を待っていたジーター氏の前を通り過ぎようとした時、目が合うと記者を指さして「ヘイ、サンキュー。シー・ユー・レイター」とウインクしたのだ。

 14年は田中の移籍1年目。たくさんの日本人メディアがヤ軍の取材に訪れていた。まさか、あのジーター氏が、その中の1人に過ぎない私の顔を覚えていたとは…。ヒガシオカと同じように「ジーターってどんな人?」と聞かれたら、記者にとってもこの「スタバ話」が鉄板ネタ。あの吸い込まれそうな、薄くグリーンがかった青い瞳で、いろいろなことに対して目配り、気配りをしてきた人物なんだろうと感じた瞬間だった。

 野球少年だった記者は昨年末、新潟・長岡市で開催された「同い年」のかつての高校球児の集会に参加した。夏の甲子園初戦で松井秀喜氏のいた星稜と対戦した新潟代表・長岡向陵のメンバーをはじめ92年に高校3年生だった新潟の数校の野球部OBが集まった。いつまで経っても同期の活躍は心の励み。今年はジーター氏や松井秀喜氏がゲストで来て…、くれるわけないっか…。
(記者コラム・春川 英樹)

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