金田さんと重ねたくなる佐々木のスケールの大きさ ロッテは責任を持って育成を

[ 2019年10月20日 10:30 ]

笑顔で質問に答える大船渡・佐々木(撮影・木村 揚輔)
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 もう掛けることもないだろうな、と思っても、なかなか電話帳から消せない携帯番号がいくつかある。その最たる人だった。接点らしい接点は2度しかなかったが、いずれも印象深いものだった。

 金田正一さん。

 最初の接点は2002年か03年、駆け出しの記者時代だった。名球会の取材で個人事務所「カネダ企画」に電話取材を試みたところ、担当者が本人の携帯番号をあっさり教えてくれた。残念ながら記事に必要な内容は聞き出せなかったこともあり、詳しいやり取りは覚えていない。ただ、金田さんが面識のない記者の取材にも、気さくに応じてくれた記憶だけは鮮明に残っている。

 2度目は、その5~6年後。巨人かヤクルトの取材現場だったと思う。70代半ばの当時の金田さんは、ややおぼつかない足取りを球界関係者から突っ込まれると、「もう、あかんねえ」とニコニコしながら、こう付け加えた。

 「勝ちすぎたわ~」

 唯一無二の400勝投手しか言えない、重みのある言葉。それでいて、嫌味に感じさせなかったのは人柄によるものだろう。

 86歳の金田さんが今月6日に亡くなり、その11日後。大船渡・佐々木朗希投手(17)が、金田さんが8年間指揮を執ったロッテにドラフト1位で指名された。豪快な金田さんに対し、ぼくとつなイメージの佐々木。そのキャラクターは、決してダブることはない。ただ、163キロ腕の投手としてのスケールの大きさは、左右の違いもあれど、金田さんと重ねたくなってしまう。

 不世出の大投手となった金田さんは、自らに猛烈な練習量を課すとともに、人一倍、体のケアも行っていたいう。佐々木本人に期待するのはもちろんだが、ロッテには次代の野球界を担う「金の卵」を、責任を持って育成してほしい。(記者コラム・大林 幹雄)

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