パドレス牧田 超遅球で全米斬る「抑えられる感覚。対等に戦える」

[ 2018年3月29日 09:30 ]

パドレスの牧田
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 大リーグは29日(日本時間30日)、全30球団が開幕戦を行う。全球団の一斉開幕は1968年以来50年ぶり。歴史的なシーズンに、日本選手で初の下手投げ投手としてパドレスの牧田和久投手(33)がデビューする。エンゼルスの最速165キロ右腕・大谷とは好対照の「遅球」を操るサブマリンが、スポニチ本紙の単独インタビューに抱負を語った。(奥田秀樹通信員)

 ――ここまで、日本とメジャーの違いをどこに一番感じている?

 「日本は際どい球をファウルにする技術があり、守備も正確性がある。こっち(メジャー)はパワーが違うので形がどうであれ結果が良ければいい、みたいな感じですね」

 ――具体的には。

 「日本の打者であれば詰まりたくない、先っぽに当てたくない、ということでミートしてくる。こっちはヒット、ホームランになればいいやという考え。車を見てもアメリカの車はでかい。食べ物も量が多く、スケールが違うなと」

 ――小柄な体で遅い球を駆使しての挑戦。

 「球速自体は遅くても打者の反応を見ていると若干てこずっている部分もありますし、速さだけじゃない」

 ――オンリーワンの長所にもなる。

 「自分は下から投げて、極端に遅い球が投げられる。他の投手と比べて最低の真っすぐのスピードですが、抑えられる(感覚)というのがある。何かしら考えて技術を身に付けることによって、対等に戦える。どうやったら抑えられるかを考えていければ、結果はついてくると思う」

 ――近年のフライボール革命で、メジャーはアッパースイング全盛。下手投げは有効だと思うが。

 「(メジャー球で)真っすぐが速くなるかというとそうではなく、速ければいいというものでもない。自分は速さよりも、いかに速く見せるか。(速く見せれば)それだけタイミングがずれる」

 ――変化球は?

 「前後の緩急で言えばカーブ。(打者の重心を)前に出しておいて、高めの真っすぐとかで差し込む。チェンジアップは基本カーブに似た感じで遅い球。真っすぐに似たチェンジアップなら、絶対に打ち損じが出てくる」

 ――同球種でも少しの違いで多彩になる。

 「同じ真っすぐでもちょっと抜いた真っすぐや、スピンを利かせた真っすぐでも3球種になる。スライダーの変化を小さくするとカットボールになる。フォームの強弱、クイックで投げたり、ゆったり投げたりすることによって(変わる)。タイミングが合わないとホームランも打てないですし」

 ――2度のWBCで米国への憧れが出てきたと言っていた。

 「言葉も文化も違う。そこを勉強して野球人生が終わった時、指導者になるかどうかは分からないですけど、自分にとってプラスになるなと思った。大塚(晶文=パ軍傘下3Aブルペンコーチ)さんを見ていてもそう。いろんな視野が広がる。日本のやり方が全て正解というわけではないですし、こっちがすべて正解というわけでもない。いろんな人がいていろんなやり方がある。勉強していきたい」

 ≪昨季大リーグの投手の誰よりも遅い≫牧田のオープン戦での直球の平均球速は77・9マイル(約125キロ)で、これは昨季の大リーグの投手の誰よりも遅い。平均球速56・5マイル(約90・9キロ)のカーブも同様。最も遅いカーブは54マイル(約87キロ)だった。地面スレスレから浮き上がる軌道やタイミングを外す多彩な技術、そして何より「遅い球」と「極端に遅い球」の緩急で打者を幻惑する。

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