【夏100回でリベンジ】慶応・善波 明大監督の父に見せた孝行のフルスイング

[ 2018年3月29日 08:30 ]

第90回選抜高校野球大会第6日・2回戦   慶応3―4彦根東 ( 2018年3月28日    甲子園 )

<慶応・彦根東>7回、慶応・善波は左前に2点打を放つ
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 1点リードの8回2死一、三塁。慶応の2年生捕手・善波は外角のチェンジアップを要求したが、生井が首を振って投じた内角直球を左翼席に運ばれた。「生井さんが一番自信を持っている球。意見を尊重した」。先輩の力勝負が裏目に出た形だが、恋女房としての責任を痛感。「もっと厳しいところに構えていれば…。詰めが甘かった。めちゃくちゃ悔しい」と肩を落とした。

 明大野球部監督の父・達也氏が桐蔭学園時代に立てなかった甲子園で躍動。強肩で盗塁を刺し、けん制でも刺した。打っても0―1の7回無死満塁から一時逆転の2点打を放った。父は慶応カラー一色に染まるアルプスから声援を送った。大学球界きっての名将もさすがに「ドキドキした」と振り返り「この経験を彼の人生に生かしてほしい」と続けた。

 「帰ったら父にはなんて言われるか…」。息子はそう心配したが、2三振の後でも持ち前のフルスイングを貫いて打った。その姿は最高の親孝行だと感じた。 (松井 いつき)

 ◆善波 力(よしなみ・つとむ)2001年(平13)4月14日生まれ、神奈川県出身の16歳。小3で野球を始め、中学時代は麻生ボーイズでプレーし、ボーイズ日本代表入り。慶応では1年夏からベンチ入りし昨秋から背番号2。家族は両親と姉2人。1メートル68、73キロ。右投げ右打ち。

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