佐渡 島民の期待背負って初の甲子園へ王手

[ 2008年7月23日 06:00 ]

サヨナラ勝ちで初の決勝進出に喜びを爆発させる佐渡ナイン

 第90回全国高校野球選手権記念大会(8月2日開幕、甲子園)は22日、全国29地区で90試合が行われ、新たに3校が甲子園出場を決めた。また新潟大会準決勝では佐渡が優勝候補の中越に2―1で勝利。佐渡島から初の甲子園出場に王手をかけた。23日は青森、広島など6地区の決勝を含め全国24地区で49試合が行われる。

 【佐渡2―1中越】日本海に浮かぶ佐渡は豊かな自然とおいしい海産物に恵まれた島。そんな自然豊かな環境で育ったナインが劇的なサヨナラ勝ちを収め、初の甲子園へ王手をかけた。
 1―1の9回2死一、二塁、打席には9番・岩崎。7回2死一、三塁の好機では空振り三振だったが、深井監督から「お前が決めてこい」とゲキを飛ばされ「決めてきます」と打席に向かった。中越・東条の139キロ速球を流し打った打球は三遊間を破り、二塁走者の中河が両手を突き上げてホームを踏んだ。深井監督は「最後の一打は全島民の気持ちが乗り移った」と興奮気味に語った。
 学校創立は1896年と100年以上の長い歴史を持つが、過去最高はベスト8止まり。今夏はノーシードながら接戦を制して勝ち上がり、佐渡島の高校としては初の4強入りを果たした。部員は全員が島内の中学出身。甲子園を目指すために島を離れる球児もいるが、同監督は「佐渡でも野球が好きで、純粋に一生懸命やれば甲子園へのチャンスがくるんだということを示せたのかな」と話した。
 ユニホームの左肩には、佐渡の頭文字「S」を島の形に模したデザインが躍る。今春に一新したものだ。今大会5試合549球をたった1人で投げ抜いてきたエース・中河は言った。「(島の人間は)逆境に立たされた時に、ひっくり返す気持ちというか、行動ができる。それは勉強でも野球でも」。夢の聖地まであと1勝。一戦ごとにたくましさを増した佐渡ナインが新しい歴史をつくる。

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2008年7月23日のニュース