菜那 マススタート連覇ならず 最終週の最終コーナーでまた転倒「左脚が言うことを聞かなくなっていた」

[ 2022年2月20日 05:30 ]

北京冬季五輪第16日 スピードスケート女子マススタート ( 2022年2月19日    国家スピードスケート館 )

女子マススタートで転倒した高木菜那(AP)
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 最終種目となるマススタートが行われた。女子は前回覇者の高木菜那(29=日本電産サンキョー)が1回戦2組に登場し、最終16周目の最終コーナーで転倒。15人中14位に終わり、連覇を逃した。1回戦1組2位で決勝に進んだ佐藤綾乃(25=ANA)は8位入賞。男子は土屋良輔(27=メモリード)が6位、一戸誠太郎(26=ANA)が8位でそろって入賞した。

 VTRのようだった。最終16周目の最終コーナー。加速してトップに出た高木菜がバランスを崩して転倒した。4日前の女子団体追い抜き決勝でも、ほぼ同じ場所でクラッシュ。冬季五輪女子初の連覇の夢が散り「ぶつかったりして左脚が言うことを聞かなくなっていた。脚にきて転んだというよりスケートを持っていかれた感じ。レースをうまくつくれず、最後ああいう形になった。自分の責任」と唇をかんだ。

 この種目は20年3月のW杯最終戦以来、約2年ぶりの出場だった。接触や転倒が多発するレースは試合勘が重要。国際スケート連盟は危険性を軽減するために、ルールを厳格化する方向にかじを切るが、現時点では失格などの判定は審判の主観に頼る状況が続く。2年間の空白がある高木菜には未知の世界。序盤から外に押し出されて空気抵抗を受ける展開となり「押されることはなくなるのかなと思っていたが、凄く押された。怖いし、正直、もうやりたくない」と想定外だったことを明かした。

 7日の1500メートルは、同走した中国選手に進路を阻まれて失速する不運があり8位。15日の団体追い抜き決勝では、連覇を目前にして転倒した。アクシデント続きだった3度目の五輪。消化不良に終わったが、3月には過去に練習拠点を置いたオランダでW杯最終戦が待つ。「いろんな思いがあるオランダで、最後にいい形で終われればいいと思っている」。涙はない。集大成と位置づける五輪イヤーを最後まで全力で滑りきる。(木本 新也)

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2022年2月20日のニュース