ロコ頂点への“長い旅”感謝込めて全力で金メダル応援します

[ 2022年2月20日 05:30 ]

決勝に向け練習する(右から)藤沢、鈴木、吉田夕、石崎(撮影・小海途 良幹)
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 【藤山健二 五輪愛】いつもの五輪なら夜の閉会式を待っているだけの最終日に、こんな大きな楽しみをもらえるなんて。ロコ・ソラーレの皆さん、本当にありがとう。20日の決勝戦は、もう全力で応援します。

 カーリングは98年の長野五輪で戦後初めて正式競技として採用された。競技自体の発祥は16世紀頃のスコットランドとされ、その後カナダに渡った愛好家たちが現在のルールの原型を作ったという。カナダでは古くから国民的スポーツとして親しまれ、実は長野より前の88年カルガリー五輪でも非公式の公開競技として実施されている。私が初めてこの競技を見たのはその時だったが、当時は「これが本当にスポーツなの?」と感じたのを覚えている。

 もちろんそれは誤りで、今ではこの競技がどれだけ過酷なスポーツかは十分に理解している。カーリングの試合時間はだいたい2時間30分ぐらい。日本はここまで1次リーグの9試合(5勝4敗)と準決勝で計10試合を消化しているので、単純計算で25時間も氷の上で戦い続けていることになる。コンシードもあるので、実際の試合時間はもう少し短いかもしれないが、たった一つの金メダルを目指してこれだけ長い時間プレーしなくてはならない競技は他にはない。

 しかもその間ずっと、頭をフル回転させながら重さ20キロのストーンを1試合につき80投、長さ45・72メートルのリンクをひたすらごしごしスイープし続ける。まさに心身共に極限状態にありながら「私たちは他のチームよりたくさんのミスやたくさんの劣勢を経験してきたから」(吉田知那美)とさらっと言い切れる強さは、北京の舞台に立つまでの苦しい日々と、厳しいトレーニングのたまものだろう。

 日本の女子が初めて五輪に参加したのはまだ公開競技だった92年のアルベールビル五輪だった。それからちょうど30年。いよいよロコ・ソラーレが悲願の金メダルに挑む。(特別編集委員)

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2022年2月20日のニュース