【北京五輪プレーバック】お家芸復活の銅に渡部暁「個人戦よりも10倍、いや何倍でもいいや。うれしい!」

[ 2022年2月20日 20:10 ]

選手の談話で振り返る激闘の19日間

銅メダルを獲得して笑顔の(左から)渡部善斗、永井秀昭、渡部暁斗、山本涼太(AP)
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 北京冬季五輪は20日、北京市の国家体育場(通称「鳥の巣」)で閉会式を行い、19日間の全日程を終える。日本は金メダル3個を含む18個のメダルを獲得。大会中は選手の戦う姿勢に胸を打たれる場面が数多くあった。そんな心に残った五輪の名場面を、選手の談話をもとに振り返ってみる。

 お家芸の復活となったのは、17日に行われたノルディック複合男子団体だ。日本は94年リレハンメル大会以来、28年ぶりの表彰台となる銅メダルを獲得した。

 前半飛躍(ヒルサイズ=HS140メートル)は4位でリードを奪う理想の展開にはならなかったが、後半距離(20キロ)で各選手が粘り、アンカーの山本涼太(24=長野日野自動車)が執念の力走でメダルをたぐり寄せた。「アンカーはもの凄くプレッシャーだったが、やることに集中した。最後はよく分からなかった」。歓喜のゴールに入ると、個人ラージヒルで銅メダルの渡部暁斗(33=北野建設)ら仲間が待っていた。渡部暁も「個人戦よりも10倍、いや何倍でもいいや。うれしい!」と声を弾ませた。

 エース渡部暁斗に加え、渡部善斗(30=北野建設)、永井秀昭(38=岐阜日野自動車)、山本涼太の見事なチーム愛が生んだ銅メダルだった。38歳の永井は「五輪の挑戦は最後。最高のご褒美となった」と目を潤ませた。また、渡部暁、渡部善は、冬季五輪の日本勢で初の兄弟メダリストになった。長らく冬の時代が続き、エース渡部暁が孤軍奮闘してきたが、ようやくお家芸の復活を印象づけた。

 ▽94年リレハンメル五輪 日本は荻原健司、河野孝典、阿部雅司の3人で臨んだ。個人銀の河野が前半飛躍で1本目にバッケンレコード、100メートルの大ジャンプを見せるなど各人が2本とも好飛躍をそろえた。2位ノルウェーに5分7秒の大差をつけてスタートした翌日の後半距離(10キロ×3)は各人が安定した走りで、最後は荻原がノルウェーに4分49秒1差をつけて2連覇を達成した。

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2022年2月20日のニュース