日本代表ロコ・ソラーレ銀 表彰台では笑顔も… 藤沢悔し涙「こんなに悔しい表彰式ってあるんだなって…」

[ 2022年2月20日 13:32 ]

北京五輪最終日・カーリング女子決勝   日本3─10英国 ( 2022年2月20日    国家水泳センター )

銀メダルの日本代表、ロコ・ソラーレ(ロイター)

 カーリング女子の決勝が20日に行われ、18年平昌五輪銅メダルで世界ランク7位の日本(ロコ・ソラーレ)は世界ランク8位の英国と対戦。3─10と敗れ、銀メダルとなったが、カーリング界史上初の快挙となった。

 1─3で迎えた後攻の第5エンド。3点を狙ったスキップ藤沢五月のラスト一投が狙い通りにいかず、相手に1点のスチールを許し、1─4で折り返した。少しずつずれた歯車はなかなか戻らず、先攻の第7エンド。藤沢のラスト一投が狙いを外れ、英国に一挙4得点を許した。大量点を狙った終盤も、英国の守りに屈した。藤沢までにいい形を作ることができず、英国にプレッシャーを与えることはできなかった。第9エンドに2点を奪われた時点で「コンシード」を行った。

 表彰式では、涙でなくいつもの笑顔が広がった。結束を示すようにリザーブの石崎琴美含め全員で手をつないで表彰台へ、そして銀メダルをお互いに掛け合った。

 表彰式を終え、メダルを手にしたスキップの藤沢は「こんなに悔しい表彰式ってあるんだなっていうのを初めて感じて…」と悔し涙。「4年前は勝って終わって表彰台に上って。あの時は嬉しい気持ちもあったんですけど、こうやって4年前とは一つメダルの色も変わったんですけど、正直まだ悔しさの方があって…すみません、まとまらないんですけど」と、4年前とは違う景色を目の当たりにした様子。それでも「ここまでこのメンバーで最終日までプレーできたのはうれしかったし、このチームを誇りに思います」と語った。

 また、吉田知那美は「今は、ゲームに対して悔しい気持ちだったり、自分に対しても悔しい気持ちはあるけど、この1試合の負けで全てを否定してしまうのはもったいないと思うので、4年間、ほんとによく頑張ってきたなと感じています」と述べた。

 鈴木夕湖も「今は悔しさの方が多きんですけど、時間がたってうれしさが増えてきたらうれしいです」と悔しさを押し殺し、吉田夕梨花は「しっかり重いです」とメダルを実感した様子だった。

 カーリングでは4年に一度の五輪が活動の節目となりやすい。日本女子で過去に唯一、2大会連続で出場したチーム青森も選手を入れ替えて臨んだ。ロコ・ソラーレは日本勢初の表彰台に立ったからこそ、届かなかった頂を目標に全員で歩みを進めた。

 20年9月には五輪2大会出場の経験を持つ石崎が加入し、現体制に。昨年9月の日本代表決定戦で北海道銀行に連敗して崖っぷちに立たされたが、そこからミラクル3連勝して北京への道をつないだ。北京でも1次リーグ敗退危機に陥ったが、ライバル国が敗れたことで4強へ。流した汗と涙が、運も引き寄せた。

 1次リーグの初戦から11日間の戦い。ロコ・ソラーレの全員の絆を最後までみせた。

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