日本代表ロコ・ソラーレは銀メダル ミス重なり英国に大敗も、夢と希望を与えてくれた11日間

[ 2022年2月20日 12:29 ]

北京五輪最終日   日本3─10英国 ( 2022年2月20日    国家水泳センター )

歓喜の英国を見つめる日本(ロイター)

 カーリング女子の決勝が20日に行われ、18年平昌五輪銅メダルで世界ランク7位の日本(ロコ・ソラーレ)は世界ランク8位の英国と対戦。3─10と敗れ、銀メダルとなったが、カーリング界史上初の快挙となった。

 「朝だから声を出して行こう!」。歴史的な大一番にも、笑顔で戦いに入った。先攻の第1エンドは英国に2点の先制を許したが、第2エンドで1点を返した。1─3で迎えた後攻の第5エンド。3点を狙ったスキップ藤沢五月のラスト一投が狙い通りにいかず、相手に1点のスチールを許し、1─4で折り返した。

 少しずつずれた歯車はなかなか戻らなかった。先攻の第7エンド。藤沢のラスト一投が狙いを外れ、英国に一挙4得点を許した。藤沢の表情も曇り、大量点を狙った終盤も、英国の守りに屈した。藤沢までにいい形を作ることができず、英国にプレッシャーを与えることはできなかった。第9エンドに2点を奪われた時点で「コンシード」を行った。
 
 4年前。英国との3位決定戦を制した藤沢、吉田知、鈴木、吉田夕の喜びに満ちた心は翌日には変化した。金メダルを争う決勝を観客席から見つめながら「決勝を戦いたかったね」(藤沢)「あの場に立ちたかったね」(吉田知)と悔しさが広がった。

 カーリングでは4年に一度の五輪が活動の節目となりやすい。日本女子で過去に唯一、2大会連続で出場したチーム青森も選手を入れ替えて臨んだ。ロコ・ソラーレは日本勢初の表彰台に立ったからこそ、届かなかった頂を目標に全員で歩みを進めた。

 20年9月には五輪2大会出場の経験を持つ石崎が加入し、現体制に。昨年9月の日本代表決定戦で北海道銀行に連敗して崖っぷちに立たされたが、そこからミラクル3連勝して北京への道をつないだ。北京でも1次リーグ敗退危機に陥ったが、ライバル国が敗れたことで4強へ。流した汗と涙が、運も引き寄せた。

 試合後、涙が流れた。自分たちのパフォーマンスを出し切れなかったが、快挙は色あせることはない。1次リーグの初戦から11日間の戦い。ロコ・ソラーレの全員の絆を最後までみせた。

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