藤沢五月に芽生えた新たな覚悟 自分自身に「絶対にいつかまたこの舞台に戻ってこい」

[ 2022年2月20日 15:03 ]

北京五輪最終日・カーリング女子決勝   日本3─10英国 ( 2022年2月20日    国家水泳センター )

銀メダルの日本代表、ロコ・ソラーレ(ロイター)

 カーリング女子の決勝が20日に行われ、18年平昌五輪銅メダルで世界ランク7位の日本(ロコ・ソラーレ)は世界ランク8位の英国と対戦。3─10と敗れ、銀メダルとなったが、カーリング界史上初の快挙となった。

 試合後の会見でスキップの藤沢五月は「今はうれしさ半分、悔しさ半分」と語った。表彰式後にインタビューでは「こんなに悔しい表彰式ってあるんだなっていうのを初めて感じて…」とも話していた。その表彰式で、リザーブの石崎琴美にメダルを掛け「毎試合前に掛けてくれる言葉で、いつもほっとさせられる。目が合った瞬間の安心感に凄く助けられている。なんか、言葉以上に存在に助けられていて、いつもありがとう、琴美ちゃん」と感謝した。

 いつも右手に言葉を書いて試合に臨んだ。「(今日は)JDコーチに書いてもらった。前半から点を取られて苦しい展開で自信を失いそうになったが、トラストユアセルフと書いてあって、どんな状態でも自分を信じて挑もうと思いました」。ミスが起きても、次へと気持ちを切り替えて戦った。

 カーリング界史上初の銀メダル。「競った北海道銀行だとか、いろんなチームと試合をさせてもらって成長して、たくさんの負けがあったから最高の舞台に立てたので、まずは日本のカーラーの皆さんに感謝したい。今回のメダルは私たちのものだけではなくて、みんなで取ったメダルだと思う」とし、10年8月にチームを創設し、今は代表理事を務める本橋麻里さんについても「麻里ちゃんは選手としてではなくて、チーム全体を支えるボスとしていてくれたが、チームの一員ということは忘れずに過ごしてくれた。特に9月の代表決定戦で久しぶりに一員として立ってくれた。今日の試合前も麻里ちゃんと話せて、思い切りやってきてと言われた。結果はこうなったが、麻里ちゃんの思いも背負って戦えたと思う」と語った。その一投一投に、かかわってきた人の思いを乗せた。

 藤沢は「もし、私が自分に今、声を掛けるとしたら、絶対にいつかまたこの舞台に戻ってこいと言うと思います」と言った。「なかなかカーリング界で五輪でメダルを獲るのを難しいと思われていた中で、こうやって最後に決勝の舞台に立てたので、私たちもそうだし、日本のカーリング選手の皆さんが、笑い話ではない、夢ではない、実際に起こりえる目標になったということでは、日本のカーリング界にとっては大きな1日になったと思うし、これをきっかけにカーリングを始めてもらう人が増えてほしいし、それ以上に個人的に、手の届くところまで来た金メダルを今日は触ることはできなかったので、今後のことをしっかり自分自身でも考えて、次の4年間を過ごしたい」と言った。藤沢の心に新たな覚悟が芽生えた。

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