白鵬、13日目にも日本国籍取得後初V 鬼の立ち会いで遠藤“KO”

[ 2019年11月22日 05:30 ]

大相撲九州場所12日目   〇白鵬―遠藤● ( 2019年11月21日    福岡国際センター )

右ひじで遠藤(左)に強烈な勝ちあげを見舞う白鵬(撮影・岩崎 哲也)
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 横綱・白鵬が気迫の相撲で1敗を守った。立ち合いで左から張って右からかち上げ、右、左の張りで遠藤を倒した。1差で追っていた小結・朝乃山が関脇・御嶽海に敗れたため、後続とは2差に開いた。13日目に平幕・正代、朝乃山が敗れ、白鵬が勝てば、日本国籍取得後は初めてとなる通算43回目の優勝が決まる。

 白鵬が鬼になった。全く手を付いていないところで遠藤に突っかけられた後の2度目の立ち合い。左の張り手は的確に顔面を捉え、右のかち上げは左の首元を襲った。さらに強烈な右の張り手。返しの左張り手は当たりが浅かったが、遠藤は前に崩れた。おびただしい鼻血が土俵に滴り落ちた。

 「まずは起こしてから攻めたいと。最終的には、はたき込みになりましたからね」。イメージしていた相撲ではなかったが、横綱の凄みが凝縮された一番。はたき込みというよりKOと言った方がいい勝利だった。

 秋場所前の9月3日に日本国籍取得が官報で告示された。優勝を果たせば日本人として初優勝となる。さらに、九州場所の優勝回数で千代の富士が持つ最多記録の9回に並ぶ。朝稽古後にそれを聞かされると「知らなかった。千代の富士関は凄いね」と驚き「頑張ります」とやる気が高まった。「今までもそうだった」と言うように、目の前にある記録をモチベーションにし、一つ一つクリアしてきた。他の地方場所の優勝回数は、春場所が8回、名古屋場所が7回で最多優勝となっている。“地方場所3冠”が目前に迫った。

 2日目に大栄翔に金星を配給したが、その後は危なげなく白星を重ねてきた。1差で追っていた朝乃山が敗れても「自分の一番だけに集中していきました」と心が乱れることはなかった。心技体とも充実している一人横綱に死角は見当たらない。

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