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王者フランスが意地の逆転勝ち 負傷者の穴を埋めた選手が得点に絡んでオーストラリアを撃破

[ 2022年11月23日 05:59 ]

W杯1次リーグD組   フランス4―1オーストラリア ( 2022年11月22日    アルワクラ・アルジャヌーブ競技場 )

フランスのエムバペがチームの3点目のゴールを決める(AP)
Photo By AP

 手負いのフランスが意地の逆転勝利でオーストラリアを4―1で破り、2連覇に向けて白星スタートを切った。

 前半9分に左サイドバックのリュカ・エルナンデスが突破を許してクロスを入れられて失点。この際の負傷で弟のテオ・エルナンデスと交代を強いられた。

 開幕前日の19日にバロンドール(世界最優秀選手)受賞のベンゼマが負傷離脱。前回18年ロシア大会優勝を支えた主力のポグバとカンテの主軸MFも故障で欠き、カタール入り後の14日にDFキンペンベ、15日にはFWエンクンクも負傷欠場が決まっていた。そんな状況で迎えたW杯初戦で格下のオーストラリアに先制を許し、さらに負傷者を出す最悪の展開。しかし、ここから王者が底力を発揮した。

 FWエムバペが左サイドから突破を繰り返して追い風を吹かせ、緊急出場のテオ・エルナンデスが前半27分の右CKでこぼれ球を拾ってクロスを入れ、MFラビオの同点ヘディング弾を演出した。さらに5分後には前線からのプレスでラビオとエムバペが相手選手をはさんでボールを奪い、左からのクロスをFWジルーが右足で決めて勝ち越した。

 ベンゼマ離脱で受けたデシャン監督は代替選手への登録変更を見送り、他国より1人少ない25人で開幕を迎える方針を決定。「このチームはとても質が高く、ピッチ内外の全てにおいて彼らは団結している。私は信頼している」と残されたメンバーの奮起に期待した。

 この試合で1得点1アシストのラビオや追加点のジルーは主軸離脱がなければ先発はなかった選手。同点アシストのテオ・エルナンデスも負傷交代で兄リュカの穴を埋めた。後半23分にはエムバペが頭で勝利を決定づけるゴールを決め、3分後にはエムバペの左クロスにジルーが頭でさらに追加点。2得点で代表通算51得点としたジルーはティエリ・アンリが持つフランス代表最多得点記録に並んだ。

 チームの危機に新たな軸として期待される選手が応え、フランスにとっては団結を深め、今後の進撃を予感させる価値ある勝利にとなった。

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2022年11月23日のニュース