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サウジまじ!森保ジャパンも大金星に続け ドーハの「歓喜」へ代表26人全員スタンバイ

[ 2022年11月23日 04:50 ]

W杯カタール大会1次リーグE組   日本―ドイツ ( 2022年11月23日    ハリファ国際競技場 )

グリーンカーペットでフォトセッションに臨む森保監督(左)と吉田(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ

 日本代表は23日、W杯1次リーグE組初戦でドイツと対戦する。22日の前日会見に臨んだ森保一監督(54)は、20日まで別調整が続いていたMF守田英正(27=スポルティング)も含め、26人全員の起用が可能であることを明言した。サウジアラビアが優勝候補のアルゼンチンから金星を奪った一戦も力に変え、ドーハの悲劇からドーハの歓喜へ――。30年越しに、いよいよ歴史を塗り替える戦いが始まる。

 「行雲流水」の言葉そのものに、森保監督の表情はいつもと変わらなかった。肩の力は抜き、目には力を込めて、話した。「W杯開幕戦を迎えるにあたって、今、非常に楽しみな気持ちが大きい」。相次いだケガ人も次々と復帰。ふくらはぎの違和感を訴えて21日に全体合流した守田も含めて、準備は整った。「現段階では全員戦えるメンバーとして考えられる、いい状態にある」。練習では先発を固定。選手にも心の準備を整えさせ、決戦を待つのみとなった。

 1993年10月28日、ドーハは日本がイラクに土壇場で追いつかれて初のW杯出場を逃す「悲劇」の場となった。その夜。森保監督は部屋に入るなりベッドにうつぶせになり、すすり泣いた。しばらくして泣きやむと、ふいにベランダに向かった。同部屋の柱谷哲二氏(58=花巻東高サッカー部テクニカルアドバイザー)が「森保」と2、3回呼びかけると、ようやく答えた。「暑いんで、ベランダに出ます」。室内はエアコンが効いていて、外は灼熱(しゃくねつ)。「ぼうぜん自失」の状態だった。

 29年の月日が流れて迎えるドイツ戦。心境を問われると、1日のメンバー発表時と変わらず「行雲流水」と答えた。「これまでやってきたことに自信もありますし、選手とともに変化に対応しながらパワーアップして積み上げてこられた」。18年9月のA代表初陣から103人を招集。戦術では「いい守備からいい攻撃に」とW杯で勝つために切り替えの早さを植え付け続けた。万が一、守田が先発に間に合わずとも「26人総力戦」で戦う準備は整った。想定外が起ころうと今はもう、ぶれない心がある。

 ドイツは日本に1968年メキシコ五輪の銅メダルをもたらし、「日本サッカーの父」と呼ばれたクラマー氏の母国。W杯を4度制した同国が日本にとっての「学びの手本」であることは今も変わらないが、当時から日本のレベルは格段に上がった。今大会では「追いつけ、追い越せ」と目線をそろえて戦える確信がある。「悲劇」から「歓喜」へ――。1万618日後のドーハで、物語の続きが編まれていく。

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2022年11月23日のニュース