MBS大吉洋平アナウンサーの「温泉書き流し」

地元の人々に長年愛される小さな温泉施設 熱めのお湯につかった後の熱海の風は格別です

[ 2022年7月20日 05:30 ]

地元の人々に愛される熱海の小さな温泉施設「走り場・浜浴場」
Photo By 提供写真

 国道を歩いていると浜辺へつながる石段が。汗だくの体がとにかく不快で、海風で涼もうと下りていきました。道中で目に入ってきたのは走り湯・浜浴場という看板。年季がかったピンク色の建物。こんなところに温泉があるのかと独り言。どうやら海まで行く必要はなさそうです。

 静岡県熱海市伊豆山にある走り湯・浜浴場は1969年に開業しました。地元の人々に長年、愛される小さな温浴施設です。走り湯というのは源泉の名前。約1300年前に発見され、山腹から海岸へ向かい湯が飛ぶように流れ落ちる様子が、まるで走っていくようだと名付けられたそうです。

 番台のご主人に350円を支払い、木製の戸棚が並ぶ脱衣所へ。みんなが自由に使えるボディーソープとシャンプーが1本ずつ浴室の入り口に置いてあり、使用後は元に戻すというシステム。何だか心が温まりました。

 タイル張りの湯船にはウグイス色の湯が。熱めと温めに分かれていました。源泉は74・8度ということで加水をして調整していますが、結構熱いのが印象的。冷水をかぶっては湯船に入りを繰り返していくうちに、たまった疲れが流れ出ていきました。

 湯上りに感じる熱海の風は格別でした。季節は夏。もちろんまた汗はかくのだけれど、入浴前のそれとは質が違います。取材の合間のすてきな出合いに感謝です。

 ◆走り湯・浜浴場 静岡県熱海市伊豆山579の37。営業時間は午後2~8時、定休日は木曜。JR熱海駅から車で約5分。

 ◇大吉 洋平(おおよし・ようへい)1985年8月23日生まれ、兵庫県出身の36歳。甲南大卒。2008年にMBS入社。19年4月から情報番組「ミント!」MC。現在「よんチャンTV」ニュースキャスター。温泉ソムリエでもある。

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